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目睹
「目睹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目睹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
りにここに微小な人間があって物質分子の間に立ち交じり原子内のエレクトロンの運動を
目睹しているがその視力は分子距離以外に及ばぬと想像する。このような人間の力学が吾....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
荷に堪えなかったのも無理はない。いわんや肺病の恋人と肺病の母とを持ち、母の喀血を
目睹した彼女の胸中を察すればふびんに堪えない。私はひたすらに彼女の今後における人....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
接の結果として、『朝日新聞』はその所謂「自由主義」を著しく控え始めた。之は紙面を
目睹したものの詐ることの出来ない印象である。当然堂々と大々的に取り扱われるべき記....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
し》らぬと思いきや!
ここにひとり、この左膳の乾雲|埋没《まいぼつ》をひそかに
目睹《もくと》していたものがあった。
あれから数日。
さてこそ、あのものもの....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
する飢饉と流行病とが、ヨオロッパのあらゆる地方に猛威をふるった。かかる荒廃状態を
目睹《もくと》した当時の歴史家は、これを表現する言葉に苦しみ当惑している。しかし....
「新疆所感」より 著者:日野強
日、その間親しく天山山脈に沿う高原を視察し、タリム河に瀕する平野を踏査して、耳聞
目睹したる結果は、五十八万方マイルの大宝庫、古来蛮雲のとざす所となりて、空しく草....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
。
従って、生活資料の増加と並んでまた労働階級の境遇に影響を及ぼす他の原因をも
目睹して、富の増加の作用する仕方をもっと精細に追及し、そしてこれに伴う不利益と利....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
っと頭を動かして頷いたばかり、返事をする気にもなれない。 源内先生は、じぶんが
目睹《もくと》したところと藤十郎から聴いた事実をあれこれと照し合せ比べ合せ、頭の....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
気が転倒して一時発狂状態にありました。その父親のごとき境遇にあって、愛児の苦痛を
目睹しつつ、いかにして人生を感謝することができましょうか。しかも人生は美であり、....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
たかった。アレカラ先き当分露国に滞留して革命にも遭逢し、労農政府の明暗両方面をも
目睹したなら、その露国観は必ず一転回して刮目すべきものがあったであろう。舞台の正....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《れんま》したり。加ふるに文化末年名古屋に赴《おもむ》くの途次親しく諸国の風景を
目睹《もくと》し、ここに多年の修養|自《おのずか》ら完備し来りて、文政六年|年《....
「帝国劇場のオペラ」より 著者:永井荷風
は此の二氏の周旋を俟って、未曾《いまだかつ》て目にしたことのなかった美術の名作を
目睹し、また未嘗て耳にした事のなかった歌謡音楽を聴き得たわけである。わが当代の芸....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
私達のいう芸術家でもない。 最も正直な人間は、誠実なる人間は、この現実を空しく
目睹するに忍びなかろうと思う。そして、凝視して、飽迄もその真相を突きとめ、原因を....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
これに関する資料の蒐集に留意し、またしばしば部落内に出入して、彼らの生活の現状を
目睹し、その有識者と談話を交換するに及んで、一般社会のこれに関する観察の誤れる者....