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「目立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ってみる。どの家の軒にも造花の桜が咲いている。 裏町の黄色い空に のこぎりの目立ての音がしている 売春の町にほのめく桜 二月の桜 水族館の水に浮く金魚色の女....
石狩川」より 著者:本庄陸男
、何の商いに行くのか」 「鋸《のこ》でがんす、鋸、刃もの、――都合によっては鋸の目立ても教えたり」 「それは勿怪《もっけ》の幸いというもの、売れるに相違ない――....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
えられる。しかしそれは結局は弦の美しい音を出すための争闘過程であって、決して鋸の目立てのような、いかなる人間の耳にも不快な音を出すためではないのである。しかし弓....
試験管」より 著者:寺田寅彦
存在を主張する叫び声がだんだんに、自然に弱くなって来た。ゴリゴリ、ゲリゲリと鋸の目立てをするような音はほとんど聞かれなくなった。そうして、この鉄片の軽く地面をた....
三国志」より 著者:吉川英治
開いとるが」 すると、ほかの一名がまた、 「はて。今朝はまた、いやにくまなく箒目立てて、きれいに掃ききよめてあるじゃないか」 「いぶかしいぞ」 「なにが」 「....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
後、二百年足らずの間の変遷で、主なる原因は石臼の普及、もう少し細かく言えば、臼の目立てと称して、一種尖って刃のついた金槌をもって石臼に目を切る職人が、農村の隅々....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
大師の所行とする説があったと述べている。これはたしか上方の出版物であった。石臼の目立てを業としてあるく者は、信州北部その他に少しずつはあったようだが、それの全く....
それから」より 著者:夏目漱石
。近頃はヴァイオリンの稽古《けいこ》に行《ゆ》く。帰って来ると、鋸《のこぎり》の目立ての様な声を出して御浚《おさら》いをする。ただし人が見ていると決して遣らない....