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「目脂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目脂の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
の御相談に、神々が上野《うえの》へ御集りになったようでございました。」 老人は目脂《めやに》だらけの眼を見張って、囁くようにこう云った。が、新田はその答には頓....
職工と微笑」より 著者:松永延造
る事の出来ないナマコのような畸形児で、両手の指が三本丈しきゃないんですもの。涎や目脂をたらし、アア、アアと丈は云えますけれど、その他の事は何も分らないんです。何....
」より 著者:島木健作
えた老人でふだんはごく静かであった。顔はしなびて小さく眼はしょぼしょぼし、絶えず目脂《めやに》が流れ出ていた。両足の指先の肉は、すっかりコケ落ちて、草履を引っか....
悟浄出世」より 著者:中島敦
立とかいうことではなくて、自己、および世界の究極の意味についてである、と。隠士は目脂《めやに》の溜《たま》った眼をしょぼつかせながら答えた。 「自己だと? 世界....
反逆」より 著者:矢田津世子
濤のような地響きが起った。バンバン手が叩かれた。お松は先ずこの光景に愕かされた。目脂を拭って、再び見直した。耳にまつわる毛を払いのけて、男が何を云ってるのかを聞....
黒点」より 著者:豊島与志雄
て待っていた。母は気性はあくまでも確かだったが、眼は益々悪くなっていった。いつも目脂《めやに》をためてじめじめした眼付をしていた。夜は何も出来なかったけれど、昼....
おせん」より 著者:邦枝完二
―おめえはまだ、顔を洗わねえんだの」 顔はとうに洗っていたが、藤吉の眼頭には、目脂が小汚なくこすり付いていた。 六 赤とんぼが障子へくっきり影を映し....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
お尻がむやみに飛びあがり、横から見ると、胴の長いスペイン犬そのままだった。いつも目脂《めやに》をいっぱい溜め、赤く爛《ただ》れた眼からたえず涙をながしている。 ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
て頬ずりすると、ナポレオンはたちまち四つ足を浮き立たせて恐悦し、涎《よだれ》やら目脂《めやに》やら止めどもなく流し、タヌの手やら顔やらでれりでれりとなめあげた。....