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「目論見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目論見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
たり》のほかに乗客はなかった。葉子はふとした出来心から古藤をおとしいれようとした目論見《もくろみ》に失敗して、自分の征服力に対するかすかな失望と、存分の不快とを....
或る女」より 著者:有島武郎
た時でも、あの記者というものを手なずけるまでに自分を堕落させたくないばかりにその目論見《もくろみ》を思いとどまったほどだった。 その朝も倉地と葉子とは女将《お....
星座」より 著者:有島武郎
いした問題ではなかった。 渡瀬は茶の間を見廻わした。そして真剣な準備を仮想的に目論見《もくろみ》ながら、 「今日はお母さんはお留守ですか」 と尋ねてみた。こ....
骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
て私は四月の上旬に、この十篇の創作を抱いて東京に出た。どこかへ売りつけようという目論見《もくろみ》ではあったが、つい気がひけて出来なかった。 労働しな....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ハイ私の附添人ですけれど少しも気の許されぬ人ですよ、身体の健康な時には色々の事を目論見《もくろみ》まして、幾度私と喧嘩するかも知れません」勿論余は秀子と虎井夫人....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
さんだそうだが、恰度根室へ鱈漁場の視察に来ていて、今度の事件を聞き込むと、なんか目論見でもあるのか、とても乗気になって、一役買って出たんだそうだ。それで、今夜オ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
」 根岸はニヤリと笑った。 「君がどうも繁々と支倉の留守宅に出入するのは、何か目論見があったのだと思えるがね」 「――――」 浅田は黙って唇を噛んだ。 「僕....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
まア見やがれ、と思った。 ――グレエンに吊されるのも、もう少しだぞ。 職長は目論見外れから工合悪そうに、肩を振って帰って行った。職工たちの眼はそれを四方から....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
には悪い家来が、間が宜くば毒殺をしようか、或は縁の下から忍び込んで、殺してしまう目論見があると知って、忠義な御家来の注意で、お畳の中へ銅板を入れて置く事がありま....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
りの民家を焼払わしめ、明日は高清水を踏潰《ふみつぶ》し候わん、と氏郷は云ったが、目論見《もくろみ》の齟齬《そご》した政宗は無念さの余りに第二の一手を出して、毒を....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
たのであろう。弓之進め用心深いからな……そういう訳ならそれもよかろう。せっかくの目論見だ、とげさせてやろう」 駿河守は頷いた。 「今日の競技はこれで終わる。者....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
と経験と人柄を是非必要に感じ、貴台の所在につき百方尋ね居たる有様に御座候。事業の目論見書は別封にて御送り申上げ置き侯共、御一議の上、小生に御協力給わる御気持を以....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
者仲間の高橋由一が負けぬ気になって何処からか志道軒の木陰を手に入れて来て辻談義を目論見、椿岳の浅草絵と鼎立して大に江戸気分を吐こうと計画した事があった。当時の印....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
することが出来るかも知れぬ。ロシアは確かに北方から南下してチベットに侵入しようと目論見つつある。 その侵入の目的はチベットの乾燥な土地を治めるのが目的でない事....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。彼自身は、自分の息子ロバアトに自分の位置を譲るようにしたいのであった。そういう目論見のもとに、息子を教育してきたのでもあった。病弱な一寸法師であるこの息子は、....