目迎[語句情報] »
目迎
「目迎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目迎の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と、お源は莞爾して俯向いたが、ほんのり紅くした顔を勝手口から外へ出して路地の中を
目迎える。 「奥様は?」 とその顔へ、打着けるように声を懸けた。またこれがその....
「妖術」より 著者:泉鏡花
に、四辺に人もなく一人立って、傘を半開き、真白な横顔を見せて、生際を濃く、美しく
目迎えて莞爾した。 「沢山、待たせてさ。」と馴々しく云うのが、遅くなった意味には....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。西の方甲州境の山から起って、玉川を渡り、彼が住む村を過ぎて東京の方へ去る夕立を
目迎えて見送るに好い。向うの村の梢に先ず訪ずれて、丘の櫟林、谷の尾花が末、さては....
「空車」より 著者:森鴎外
車はわたくしの目にとまらない。 わたくしはこの車が空車として行くにあうごとに、
目迎えてこれを送ることを禁じ得ない。車はすでに大きい。そしてそれが空虚であるがゆ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、月を仰ぎて彳みたり。 頭巾着て肩掛引絡える小親が立姿、月下に斜なり。横向きて
目迎えたれば衝と寄りぬ。立並べば手を取りて、 「寒いこと、ここへ。」 とて、左....
「雁」より 著者:森鴎外
君の後影を見ていた。おおかたまだこっちの方角を見て立っているだろう。あの左伝の、
目迎えて而してこれを送ると云う文句だねえ。あれをあべこべに女の方で遣っているのだ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いてすぐ消え去った。 女は被衣をとって遠くに白い手をつかえている。――じっと、
目迎えしながら、高氏のその眼はもンどり打っていた。女は、藤夜叉ではなかったのだ。....