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「目顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
いるので葉子は家柄《いえがら》の高い生まれに違いないと思った――などは、葉子と一目顔を見合わしたが最後、震えんばかりに興奮して、顔を得《え》上げないでいた。それ....
朱日記」より 著者:泉鏡花
美しい顔を見せて、外へ出るよう目で教える……一度逢ったばかりだけれども、小児は一目顔を見ると、もうその心が通じたそうよ。」 七 「宮浜はな、今日は....
深夜の市長」より 著者:海野十三
が宿っていた。鬚の中に埋れた唇をモゴモゴやって、老人は僕の顔をジロジロ眺めながら目顔で催促した。 実をいうとそのとき僕は、すこし当惑している最中だった。それは....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
北川さんでしょ。……」 「し、縛って……突き出して下さい」 「叱ッ。――」と女は目顔で叱って、「……誰かに悟られると、大変なことになってよ」 「えッ。――」 ....
地球盗難」より 著者:海野十三
。博士が動けば、撃とうというのらしい。 「射つな。――」 大隅はベッドの上から目顔で知らせた。佐々は不平だったらしいけれど、博士が全く後向きに仕事に熱中してい....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
では人間はどんなものと、争いするのでございましょう?」 「そうさな」と蔵人は真面目顔をしたが、「たとえば洪水とか、雷さんとか、火事とか地震とか悪い獣とか、まずザ....
火星兵団」より 著者:海野十三
うが、なんにも出てこないじゃないか) 千二は、先生の顔を見た。そのとき、先生は目顔で、しっと叱った。それで、千二は、しまったと思った。手をきちんと膝の上におき....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
献納し、お持帰りいただくということだったのが、解ったのであった。それで主人の真面目顔をしていたのは、その事に深く心を入れていたためで、別にほかに何があったのでも....
星女郎」より 著者:泉鏡花
は十八九で、もう六七人|情人がありました。多情な女で、文ばかり通わしているのや、目顔で知らせ合っただけなのなんぞ――その容色でしかも妙齢、自分でも美しいのを信じ....
光は影を」より 著者:岸田国士
つかくの機会をそれでは面白くないのであろう、どちらからともなく、どこかで一杯と、目顔で合図をして急に起ちあがつた。 どこをどう飲み歩いたか、その夜、京野等志は....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
金兵衛は心をノンビリとさせた。「よしよし根掘って訊いてやろう」――で金兵衛は真面目顔をして訊いた。 「いずれお妻さんという女太夫さんは、美しいお方でござい....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
。宗匠、分りましたか。二人は御代参……ね、厄除の御守りを頂くので御座いますよ」と目顔で注意を加えた。 「な、な、な、なる程、や、確かに二人で代参致しましょう。厄....
書記官」より 著者:川上眉山
ね、あのー、あのー、ただなんだか訝しいの。だから私は好かないと思っていますの。と目顔に言わする心の中。ふむ、とばかり綱雄は冷笑うごとく、あいつのことだそんなこと....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
しい。といってスコットランドの領主などという数代の手数のかかった鎧兜を今なお真面目顔で着て居られる人間も滅多に無いので、彼は世界到るところでもてる場所を見付ける....
雪柳」より 著者:泉鏡花
を噴くんだ。喝!」 と大きな口をあけながら、目を細く、頻に次の間を頤で教えて、目顔で知らせて、 「お茶を早くよ。」 貧しい盆に茶碗をのせて、気候は、そんなだ....