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盲亀
「盲亀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盲亀の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
布された天体の二つが偶然接近して新星の発現となる機会は、例えば釈迦の引いた譬喩の
盲亀百年に一度大海から首を出して孔のあいた浮木にぶつかる機会にも比べられるほど少....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
見えまする。これぞ当時は八九分通り開けて居りますが、小笠原島でございます。文治は
盲亀の浮木に有附きたる心地して、 「正直の頭に神宿るとは宜く申した、我は生れて....
「四十八人目」より 著者:森田草平
めから相鬩いだ。が、女の方では、そんなこととは知らないから、世にも手頼りない身の
盲亀の浮木に逢った気で、真心籠めて小平太に仕える。小平太もそうされて嬉しくないこ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
感がある。
花がこの紳士を王様と呼ぶ以上、それは加十に違いないのだから、一同は
盲亀浮木といった態たらく。していいものなら手を合わせて拝みたかったろう、警保局長....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
に満ちた憐愍すべき餓鬼の相貌である。賢愚おしなべて哀れはかない運命の波に浮沈する
盲亀の面貌である。彼岸の仏|菩薩でなくて、吾が隣人であり、又自己そのものである。....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
まれて底へ底へと沈むようなもんで、頭の疲れや苦痛に堪え切れなくなったので、最後に
盲亀の浮木のように取捉まえたのが即ちヒューマニチーであった。が、根柢に構わってる....
「三国志」より 著者:吉川英治
ますなれど、きょうの日は、てまえにとって、実に、千|載の一|遇といいましょうか、
盲亀の浮木というべきか、逸しがたい機会です。もはや一日も、悪業の中には生きていら....