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「盲者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盲者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
には両面全く聯絡を持たないもののようにさえ感じられる。幼稚とも意地悪とも、病的、盲者的、時としてはまた許しがたい無礼の徒とも云い切れない一面に逢う。 某日。―....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に言葉を添えて、旗太郎が法水に云った。 「事実そうなんです。生憎僕等には、昆虫や盲者が持ち合わせているほど、空間に対する感覚が正確でないのですよ。それに、なにし....
物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
出して考える事がどうしてもできない。トルストイのおとぎ話に牛乳の白色という観念を盲者に理解させようとしてむだ骨折りをする話がある。雪のようだと言えばそんなに冷た....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
で「見えない」から平気であるが、現在の場合は「見える」からかえって困るのである。盲者の幸福がここにもある。 とにかくこういうふうに考えれば、完全週期的な縞と不....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
の機巧のいまだ不完全なために、あらゆる雑音の忠実な再現に成功していない。それで、盲者が、話し声の反響で室の広さを判断しうるような微妙な音色の差別を再現することは....
小春」より 著者:国木田独歩
して炉に対するところか。 これらの美なる風光はわれにとりて、過去五年の間、かの盲者における景色のごときものにてはあらざりき。一室に孤座する時 もしこの事、単....
生活について」より 著者:豊島与志雄
活こそ、本当にしっかりした力強い輝しい生活である。そういうものを持たない生活は、盲者の生活であり、虫けらの生活である。 右のことさえしっかりしておれば、人は如....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ょうしょう》しもしくは非難することができるかもしれないけれど、それを否定する者は盲者と言うべきである。現時の放漫|蕪雑《ぶざつ》な共産主義によって精神的孤立の犯....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
弱な身体とをもっていた。クリストフは強力と落ち着きのない魂とをもっていた。二人は盲者と中風患者とであった。そして今二人いっしょにいると豊饒《ほうじょう》な気がし....
方則について」より 著者:寺田寅彦
在科学の極限を見極めずして徒らに奇説を弄するは白昼|提灯を照らして街頭に叱呼する盲者の亜類である。方則を疑う前には先ずこれを熟知し適用の限界を窮めなければならぬ....
鸚鵡のイズム」より 著者:寺田寅彦
書いたとは思われないように実感的に述べてある。しかし著者はこのような光景は固より盲者にとっては何らの体験にも相応しないバーバリズムに過ぎないという事を論じ、それ....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
。その時、ベーリングは、Dの前にある腫粒に触れたために――のう、よいかフローラ、盲者というものは、粒のように微細な点でも、それに触れると、ひどく大きく感ずるもの....
取舵」より 著者:泉鏡花
と思ッたから、そのまま乗って出るとまた驚いた。 実に見せたかッたね、その疲曳の盲者がいざと言ッて櫓柄を取ると、※然としたものだ、まるで別人さね。なるほどこれは....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
、家に残れる母あり、出でて嫁げる姉あり、親戚あり、朋友あるに、何ぞ俄に杖を失いし盲者の如く、水を離れし魚の如く、空しく慌て空しく悲むべき。父よ、冀くは我を扶けわ....
色盲検査表の話」より 著者:石原忍
偶然色盲でして、その人が何げなく、おそらく面白半分であったのでしょうが、ひとつ色盲者には読めるが健康者には読めないような表を作ってみようかといって、描いて見せて....