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「直々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

直々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をかき分けながら出て来た。彼はきのうも松吉に嚇されているので、きょうはその親分が直々《じきじき》の出張にいよいよおびえているらしかった。 「ここじゃあ話が出来ね....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「はあ」と、歩兵の返事はやはり渋っていた。 「米吉が不安心なら、今度は手前から直々《じきじき》にお渡し申しても宜しい」 「はあ」 かれらは一緒に連れ立って行....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
女は案外におそろしい料簡を起こすものだ。そこで先ず奥さまの細工とすると、奥さまが直々《じきじき》に船頭に頼みゃあしめえ。誰か橋渡しをする奴がある筈だが……」 「....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それを表向きに詮議する事の出来ないというのは、その仮面は屋敷の御先祖が権現様から直々《じきじき》に拝領の品で、それを迂濶に紛失させたなどとあっては、公儀へのきこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えってお願いの筋が通り兼ねるかとも存じます。御用でございましたらば、わたくしから直々に申し上げます」 「いや、そのような失礼があってはならぬ」と、式部はさえぎっ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
心まかせ、とそれに極まった。この事は、酒井先生も御承知で、内証で飯田町の二階で、直々に、お蔦に逢って下すって、その志の殊勝なのに、つくづく頷いて、手ずから、小遣....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そうして、かの水野が先例になったのでしょう。その役目を云い付かると同時に将軍から直々御手許金を下さる。それを路用にしてお城からまっすぐに出発するのが習いで、自分....
深夜の市長」より 著者:海野十三
で駈けつけ給え」 雁金次席検事は、局内で僕の最も敬服する人物だった。その人から直々言葉を懸けられ、「直ぐ駈けつけろ」というのである。僕は全身が俄かに緊張に鳴り....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
を砂地の上に立つ古城へ連れていった。 「さあ、ここが毒瓦斯発明院だ。看板も、余が直々筆をふるって書いておいた」 なるほど、あちこち崩れている城門に、毒瓦斯発明....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
んなことには駭く様子もなく、 「大爆発大いに結構。その前に一言でもいいから博士|直々の談を伺いたいのです。すばらしい探訪ニュースに、やっと取りついたのですからな....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
いた警備第六潜水艦隊における出来ごとだった。 旗艦リリー号は、後続の僚艦四隻に直々、検閲点呼の号令を無電でしらせた。 各艦では、そのしらせをうけると、いちは....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
留客は、御自分の方から、この邸を開いて、もはや余所へ立退くじゃが。 その以前、直々に貴面を得て、客僧に申談じたい儀があると謂わるる。 客は女性でござるに因っ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
当惑せずにはいられなかった。 「それで御上にはなんと仰せあそばされた。御脇差を御直々に、侍女鶴江に御遣わしの御覚え、あらせられるか、あらせられぬか、何んと仰せあ....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
原の幸子坊は椽に腰掛けている。) 源右衛門『夜更けといい斯かる荒家へ、お上人さま直々のお運び、源右衛門|冥加の至りに存じます』 蓮如『何の、何の、わしじゃとてそ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
したけれど、どうも調子が悪くて直ぐ疲労てしまいます。しかし、文句の倹約は、殿様|直々のお触出しですから、今さら、もとへと願い出も出来ません。窮した結果が、次のよ....