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「直ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

直ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
妓の「道成寺」がはじまると共に、座敷はまたもとのように静かになった。これがすむと直ぐ、小川の旦那の「景清」になるので、旦那はちょっと席をはずして、はばかりに立っ....
仙人」より 著者:芥川竜之介
らくはぼんやり腕組みをしながら、庭の松ばかり眺めていました。が番頭の話を聞くと、直ぐに横から口を出したのは、古狐《ふるぎつね》と云う渾名《あだな》のある、狡猾《....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
に地面に転がっていた。彼れは気丈《きじょう》にも転がりながらすっくと起き上った。直ぐ彼れの馬の所に飛んで行った。馬はまだ起きていなかった。後趾《あとあし》で反動....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
お前は私のここにいるのを碌々顧みもせずに、習慣とか軽い誘惑とかに引きずられて、直ぐに友達と、聖書と、教会とに走って行った。私は深い危懼を以てお前の例の先き走り....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かの原因で屈折するとする。そうしてたとえば真上を見ようと思うときにその視線は真っ直ぐに無限の上方に向かわないで地球のまわりに彎曲するために地球の反対側を見るよう....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
え筈だ。 私は「黙っちゃ居ねえ」と云う簡単な言葉が、何を言い顕わして居るかを、直ぐ見て取る事が出来た。余りの不意に思わず気息を引くと、迸る様に鋭く動悸が心臓を....
」より 著者:池谷信三郎
干から下の街を見下していた。大通りに沿って、二条に続いた街灯の連りが、限りなく真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の夜光虫のように交錯し....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
庭の草の上に寝ころんで顔を熱く照らす日に向けて居た。しかしそれも退屈だと見えて、直ぐに飛び上がって手を広げて、赤い唇で春の空気に接吻して「まあ好い心持だ事」とい....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
もしているように、夕日にむかって一直線に歩いて行った。彼は常に太陽にむかって真っ直ぐに歩いてゆくのである。そこで、夜になって荒野で何をするのであろうと、そのあと....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と見えてね、口をむぐむぐとさして合点々々をしたから、また手間を取らないようにと、直ぐにね、銅貨を一つ渡してやると、しばらくして、早附木を一ダース。 そんなには....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
親は言いました。 「まあ何て上手に脚を使う事ったら! それにからだもちゃんと真っ直ぐに立ててるしさ。ありゃ間違いなしに私の子さ。よく見りゃ、あれだってまんざら、....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
梯子を駈け上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩き出しました。 戸は直ぐに開きました。が、日本人が中へはいって見ると、そこには印度人の婆さんがたった....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
はないね。居処って奴は案外人間を束縛するもんだ。何処かへ出ていても、飯時になれあ直ぐ家のことを考える。あれだけでも僕みたいな者にゃ一種の重荷だよ。それよりは何処....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とどくほど高くあがった。彼の尖った肱はばったの足のように突きだし、鞭はその手に真直ぐに立て、笏をもつような恰好だった。馬がからだを揺りながらのそのそ歩いてゆくと....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
来たりすることがある。ふり仰いで見ると、背後の山鼻から生えた老松の枝がさし出して直ぐ頭の上まで来ていることに気がつく。秋の日に照らされて心持ちなまなましい気を失....