直ぐと[語句情報] »
直ぐと
「直ぐと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直ぐとの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
分が作らねば承知の出来ないが如く、自分は右の遺失《おとし》た人の住所姓名が解るや
直ぐと見事な言訳を自分で作って、そして殆《ほとん》ど一道の光明を得たかのように喜....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
間はなんでも意気で以て思合った交りをする位楽しみなことはない、そういうとお前達は
直ぐとやれ旧道徳だの現代的でないのと云うが、今の世にえらいと云われてる人達には、....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
たが、ただそこに母が見えない許り、何の変った様子もない。僕は台所へは顔も出さず、
直ぐと母の寝所へきた。行燈《あんどん》の灯《ひ》も薄暗く、母はひったり枕に就いて....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
を緊張させたようだったが、奥へ入った。 奥へ入って仕度をしているのであろうが、
直ぐという言葉とは違って、なかなか出て来なかった。私はすこし癪にさわりながら、こ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
に向直ると、誰も居ないのに、一人で、へたへたと挨拶する。 「光栄なさいまし。……
直ぐと暖めて差上げます。今、もし、飛んだお前さん、馬鹿な目に逢いましてね、火も台....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
と、姉様は突伏して泣いてるし、髯は壇階子の下口に突立ってて、憤然とした顔色で、(
直ぐと明けてもらいたい。)と失敬ことを謂うじゃあないか。だから僕は不愉快で堪らな....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
びてえ事になってるんでげすから、是は是非願いましょうじゃアありませんか」 修「今
直ぐと云う訳ではない、貴方も旅の事だから何れ又改めて私がお話に出るで、是は只ほん....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
申上げませんと解りません、お可煩くなりましたら、面倒だとおっしゃって下さりまし、
直ぐとお茶にいたしてしまいまする。 あの娘は阿米といいましてちょうど十八になり....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
学問が好きらしいが僕の家に遊びに来ませんか。国学の本なら沢山ありますよ」 私は
直ぐと心が動いた。 「行ってもいいか知ら、僕は君のお父さんにお話が聞きたいな」 ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
あった。 背筋の虫に螫された痕、その痒さを留める役目なので、蚊帳の中に入っても
直ぐと後へ廻った為、顔を見られずに済んだのであった。 もうここまでに成ればこち....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
一 天保銭の出来た時代と今と比べると、なんでも大変に相違しているが、地理でも非常に変化している。現代で羽田というと
直ぐと稲荷を説き、蒲田から電車で六七分の間に行かれるけれど、天保時代にはとてもそ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
違いないから、御亭主、一番|侠客気を出しなさい。「はあて、ようごぜえさあ、ほい、
直ぐとその気になる。はははははは。かからんには後に懸念無し。亭主もし二の足ふまば....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
一方ですから、その烈しい競争場裡において、ちょっとやそっとの知識や経験手腕では、
直ぐと押しのけられたり、蹴落されるのであります。相当に世に認められる仕事をするに....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
慨して領事館を通じ、支那警察に対して厳重に抗議をしたんです。 するとまた犯人は
直ぐと捕ったんですよ。鼠色の男だなどと謳われた義賊らしくもなく、から意気地のない....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
たなれるという自信もなかった。併し、鴎外先生のおいいつけだというのがうれしくて、
直ぐと承知してしまった。 それから、一週に二時間ずつ三田の文科へ劇文学の講義を....