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直し
「直し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
らしい少年の上半身《じょうはんしん》。少年は涙を流しはじめる。が、やっと気をとり
直し、高い空を見上げながら、もう一度こちらへ歩きはじめる。
....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
前を立って行った。客は台所へ上った後、彼女自身の履き物や男の子の靴を揃《そろ》え
直した。(男の子は白いスウェエタアを着ていた。)彼女がひけ目を感じていることはこ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
著作堂主人のと、大きなことを言ったって、馬琴なんぞの書くものは、みんなありゃ焼き
直しでげす。早い話が八犬伝は、手もなく水滸伝《すいこでん》の引き写しじゃげえせん....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
猾《こうかつ》な土蜘蛛も、心を動かさないとは限りません。そこで髪長彦は勇気をとり
直して、吠えたける犬をなだめながら、一心不乱に笛を吹き出しました。
するとその....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
十
が、それはほんの僅の間《ま》で、鍛冶《かじ》はまた竹馬《たけうま》をとり
直しますと、
「まだ雑言《ぞうごん》をやめ居らぬか。」と、恐ろしい権幕《けんまく....
「河童」より 著者:芥川竜之介
かぶつぶつつぶやきながら、僕らを後ろにして行ってしまうのです。僕はやっと気をとり
直し、こう巡査に尋ねてみました。
「どうしてあの河童をつかまえないのです?」
「....
「彼」より 著者:芥川竜之介
あいさつ》した。
「さようですか? では皆さんによろしく。どうもお下駄《げた》も
直しませんで。」
僕等はもう日の暮に近い本所の町を歩いて行った。彼も始めて顔を....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
かは、何物もいるとは思われなかった。………
またある時は鏡台の前に、お蓮が髪を
直していると、鏡へ映った彼女の後《うしろ》を、ちらりと白い物が通った。彼女はそれ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
らともなく一度に軍刀をひき抜いて、咄嗟《とっさ》に馬の頭《かしら》をその方へ立て
直した。勿論その時は、万一自分が殺されるかも知れないなどと云うことは、誰の頭にも....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
りの中に、パナマ帽をかぶった賢造は、こちらへ後《うしろ》を向けたまま、もう入口に
直した足駄《あしだ》へ、片足下している所だった。
「旦那《だんな》。工場《こうば....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
したことはわかりませぬ。」
治修はちょいと考えた後《のち》、念を押すように尋ね
直した。
「何もそちには覚えはないか?」
「覚えと申すほどのことはございませぬ。....
「少年」より 著者:芥川竜之介
がら、「どっこいしょ」と太い腰を起した。保吉はそれでも頓着せずに帆前船の三角帆を
直していた。が、硝子《ガラス》障子のあいた音にもう一度ふと目を挙げると、父はちょ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
拍子木《ひょうしぎ》が鳴り始めた。静まり返っていた兵卒たちは、この音に元気を取り
直したのか、そこここから拍手《はくしゅ》を送り出した。穂積中佐もほっとしながら、....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
く》先生が、驚倒《きょうとう》されたのも不思議はありません」
王氏はやや顔色を
直しました。が、それでもまだ眉《まゆ》の間には、いくぶんか私の賞讃《しょうさん》....
「運」より 著者:芥川竜之介
ま》がまた、少し耳が遠いと来ているものでございますから、一つ話を何度となく、云い
直したり聞き
直したりするので、こっちはもう泣き出したいほど、気がじれます。――
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