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「相乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
版画として興味があるばかりでなく、牡丹《ぼたん》に唐獅子《からじし》の絵を描いた相乗《あいのり》の人力車《じんりきしゃ》や、硝子取《ガラスど》りの芸者の写真が開....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
リ屋へ連れて行ったら、キャッキャッだよ」 一つの俥へ無理に二人乗りして、野郎の相乗りはキャッキャッだが、おめえいい尻つきをしてるじゃねえかと銀ちゃんは膝の上に....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
余も橋を渡り、線路の向う側へ行き、頓て彼と同じ汽車へ乗り込んだが、幸か不幸か外に相乗りはない、車室の内に余と彼の只二人である。 車室を照らす電燈の光に余は初め....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。そうして、この各々の部分につき、その質量と、平均温度(一〇〇万度)からの偏差の相乗積を求め、そうして、その二つの積の一つは正の量、一つは負であるが、それには構....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の家は新宿のはずれである。記者の家も麹町である。同じ方角へ帰る二人は、門跡前から相乗りの人力車に乗った。車の上でも話しながら帰って、記者は半蔵門のあたりで老人に....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
てそうばかりでないということが科学上の実例にはいくらもある。すなわち異なる因子の相乗積が参加する場合がそうなのである。それだのに世の中ではそういう、科学者には明....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
「やあ、しばらく。」 記者が掛けた声に、思わず力が入って、運転手がはたと自動車を留めた。……実は相乗して席を並べた、修善寺の旅館の主人の談話を、ふと遮った調子がはずんで高かった....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
い区別を明表した大きな紙札を首から下げている乞食。労働者の辻演説。慈善花うり娘。相乗りのモウタア・サイクル。道路工事。石炭配達者。深夜の屋台店。宣伝掲示「|英産....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
―一、二世紀まえの倫敦の街上を。 織るような人通りだ。 黒子を貼った貴婦人と相乗りの軽馬車を駆っていく伊達者。その車輪にぶら下がるようにして一しょに走りなが....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
と、安井君は言った。「それから一緒に午飯を食って、自動車をよんでもらって、小鉄と相乗りでゴム園や植物園を見物に行った。それは誰でもすることで別に不思議もないんで....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
の時間が決定され、そしてその人が電車で来たものと仮定すれば、その時間と電車速度の相乗積に等しい半径で地図上に円を描き、その上にある樹林を物色することが出来る。し....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
大いに彼女の美徳をたたえ、声援を送りに、一升ビンをぶらさげ、デブチャンの自転車に相乗りしてでかけたのである。このデブチャンは泥酔すると人や大荷物をつみあげて自転....
山吹」より 著者:泉鏡花
んで掌をチュウと吸う)別して今日は御命日だ――弘法様が速に金ぴかものの自動車へ、相乗にお引取り下されますてね。 万屋 弘法様がお引取り下さるなら世話はないがね、....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
いうらやましくなって、おれもひとつでかけてみようかと、妻をかたらい、夫婦ふたりの相乗りで舟をこぎ、交易に行ったのだった。和人の殿様のいる町に着いて、こちらから積....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
た。無論拒むことは出来なかったので、已むなく宮岡警部と並んで腰をかけた。警察官と相乗りは余り愉快でなかった。どんな訊問を受けるのか知らないが、内容が分らないので....