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相変らず
「相変らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相変らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
一
天保《てんぽう》二年九月のある午前である。神田同朋町《かんだどうぼうちょう》の銭湯松の湯では、朝から
相変らず客が多かった。式亭三馬《しきていさんば》が何年か前に出版した滑稽本《こっ....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
た。おとうさんとおかあさんとは、そんなことがあったのは少しも知《し》らないように
相変らず本棚と箪笥とをいじくっていらっしゃいました。僕はもう一度二人の方に進み寄....
「星座」より 著者:有島武郎
たがね、おやじもおふくろも、額の皺が五六本ふえて少ししなびたくらいの変化だった。
相変らずぼそぼそと生きるにいいだけのことをして、内輪に内輪にと暮している。何をい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。 お源が横向きに口を出して、 「何があるの。」 「へ、野暮な事を聞くもんだ。
相変らず旨えものを食してやるのよ。黙って入物を出しねえな。」 「はい、はい、どう....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
思わず視線をすべらして下を向くと、世の中は依然として夏の光の中に眠った様で、波は
相変らずちゃぶりちゃぶりと長閑な階律を刻んで居る。 私は下を向いた儘、心は差迫....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
して顧みて、 「破格のお附合い、恐多いな。」 と膝に扇を取って会釈をする。 「
相変らず未熟でござる。」 と雪叟が礼を返して、そのまま座を下へおりんとした。 ....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
それでいい、それでいい」といった。 人々は馳せ集ってこれを見て笑った。クサカは
相変らず翻筋斗をしたり、後脚を軸にしてくるくる廻ったりして居るのだ、しかし誰もこ....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
たような顔をしてまじっていました。たれも取りにくるものがないので、うわおいぐつは
相変らずはいたままでした。それになにしろ往来は道がひどいのでこれはとんだちょうほ....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まもなく、泳いだり、潜ったり出来る様な水の辺りに来ましたが、その醜い顔容のために
相変らず、他の者達から邪魔にされ、はねつけられてしまいました。そのうち秋が来て、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ら遠藤はこれを見ると、さては計略が露顕したかと思わず胸を躍らせました。が、妙子は
相変らず目蓋一つ動かさず、嘲笑うように答えるのです。 「お前も死に時が近づいたな....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
の手綱が、絶えず流れて行く容子は、まるで画のような美しさです。 しかし杜子春は
相変らず、門の壁に身を凭せて、ぼんやり空ばかり眺めていました。空には、もう細い月....
「滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
お目にかかることが出来た。 ◇ 僕は又滝田君に画帖などを示し、
相変らず元気に話をした。 滝田さんよりも痩せていますか?」といった。 ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
は前の囲者が居た時分から、縁あってちょいちょい遊びに行ったが、今のお縫になっても
相変らず、……きっとだと、両親が指図で、小僧兼内弟子の弥吉というのを迎に出すこと....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を背後から見て、既に成女の肉附であるのに一驚を喫した書生がある、その時分から今も
相変らず、美しい、若々しい。 不意の見参といい、ことに先刻小間使を見てさえ低頭....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
話をし、この小事件もかれの心に暗い影を落しているのを感じた。かれは今揚子江の岸に
相変らず孤独に暮している…… こういう僕の友だちと一しょに僕の記憶に浮んで来る....