相対する[語句情報] » 相対する

「相対する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相対するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
父は帰って行った。 妻が痩せたのを連想するせいか、父も痩せていたようだし、今、相対する母もまた頬が落ちている。僕は家族にパンを与えないで、自分ばかりが遊んでい....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いうのにもう眼が醒めた。よんどころなく煙草をくゆらしながら、襖にかいた墨絵の雁と相対すること約半時間。おちこちに鶏が勇ましく啼いて、庭の流れに家鴨も啼いている。....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
鳥山の支峰の下で、河原から、赤石山脈の間の岳とは、真面に向き合っている。両山脈の相対する間隔は、直径約一里もあろうか、間の岳の頂までは、この河原から一里半で達せ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
じ屋根の下に住みながら、襁褓の間より親子として暮らしてきた者が隣人の関係において相対することは至難である。いわんや親の方でかかる愛を理解しないときにはほとんど不....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
妻たか子との夫婦生活にも苦悩がなくなっていた。阿難を常に思い浮べながら、たか子と相対することに抵抗を感じなくなっていた。南原杉子は、蓬莱建介とも時々会った。そし....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
はやはり自分の運命が拙いのであって、人間が初めから別離の悲哀を思うて恐れをもって相対することをすすめる気にはもちろんなれない。やはり自然に率直に朗らかに「求めよ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は珍しく祖父の居間へよびつけられた。一対の燭台をはさんで、この怖しい覆面の人物と相対するのは、それだけでもすでに半ば喪失しかけているような心持であったが、彼女が....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
こまれた何物かを考えて、これをやっぱり墓場の対話とよぶべきであろうと考える。あの相対する人の薄笑いをはいでみると、その下には、どうしても死んだ顔があったのだと考....
花咲ける石」より 著者:坂口安吾
。まず向い合って一礼し、しかる後ハチマキをしめハカマの股ダチをとり、武器をとって相対するのが昔の定法であるから、まして殿様の眼前のことだ、相手はあくまで礼儀専一....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
行われた事実を、僕などでも記憶しています。今日は、俳優が率先して、声楽家の修業と相対する、演劇的であり、かつ人間的な「魅力ある声」の標準に従い、個々のヴァライァ....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
いうのにもう眼が醒めた。よんどころなく煙草をくゆらしながら、襖にかいた墨絵の雁と相対すること約半時間。おちこちに鶏が勇ましく啼いて、庭の流れに家鴨も啼いている。....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
った。しかし、これはただ従来の倭国の称を否定しただけで、我が国が地理上支那と東西相対するの位置の関係から、しか呼んだに過ぎないものであった。 支那を日没処と呼....
手長と足長」より 著者:喜田貞吉
(安政四年)には、手名椎・足名椎を祭ったのであろうと書いてあるけれども、単に手足相対することと、呼声の近いのとから想像したので、もとより拠はない。また足長とはな....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
理に囚えられてその渦中に巻き込まれたものは、何が何やらわからぬながらに、その男女相対するところから道祖神に付会して岐神といい、あるいはその威霊ありと信ぜられた事....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
相互の信頼は失われたのだった。はじめて二人は、めいめいの背後に何物かを蔵しながら相対するようになった。エセックスは、口でなにをいおうと、どんな顔いろをしようと、....