相手[語句情報] » 相手

「相手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
英雄の器」より 著者:芥川竜之介
の勢いと云ったら、ありません。それは実際、強いことは強いですな。」 「ははあ。」相手の顔は依然として微笑しながら、鷹揚《おうよう》に頷《うなず》いた。幕営の外は....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
が牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。 「これは噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最後、どんな恐しい鬼神《おにがみ》でも、きっと一噛《ひとか》みに噛み....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
と残っている。 「飯沼! 君の囲い者じゃないか?」 藤井は額越《ひたいご》しに相手を見ると、にやりと酔《よ》った人の微笑を洩《も》らした。 「そうかも知れない....
」より 著者:芥川竜之介
「陳さんですか? 私は吉井《よしい》です。」 陳はほとんど無表情に、じろりと相手の顔を眺めた。 「今日《こんにち》は御苦労でした。」 「先ほど電話をかけまし....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
へ、馬車を駆りたいとさえ思っていた。そこで私は頭を下げながら、喜んで「どうぞ」と相手を促した。 「じゃあすこへ行きましょう。」 子爵の言《ことば》につれて我々....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の武芸の仕合《しあい》があった時、彼は表芸《おもてげい》の槍術《そうじゅつ》で、相手になった侍を六人まで突き倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、それは思いもよりませんな。」 忠左衛門は、けげんな顔をして、藤左衛門を見た。相手は、この話をして聞かせるのが、何故《なぜ》か非常に得意らしい。 「今も似より....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、大病の母が横になっている。――そう云う意識がいつもよりも、一層この昔風な老人の相手を苛立《いらだ》たしいものにさせるのだった。叔母はしばらく黙っていたが、やが....
おしの」より 著者:芥川竜之介
人|跪《ひざまず》いている。女はやや驚いたように、ぴたりとそこへ足を止めた。が、相手の祈祷していることは直《ただち》にそれと察せられたらしい。女は神父を眺めたま....
」より 著者:芥川竜之介
って、参籠《さんろう》をしたって、そうとすれば、安いものだからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」 青侍は、年相応な上調子《うわちょうし》な....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
占いですか? 占いは当分見ないことにしましたよ」 婆さんは嘲るように、じろりと相手の顔を見ました。 「この頃は折角見て上げても、御礼さえ碌にしない人が、多くな....
狂女」より 著者:秋田滋
。厭でも独りで歩かせる算段をするからな」 しかし彼女は身動きひとつしなかった。相手の姿などはてんで眼中にないかのように、例によって例のごとく、じいッとしたまま....
寡婦」より 著者:秋田滋
それはそれは大きくて、その眼で射るように視られると、何がどうということもなしに、相手の胸は乱れるのでした。 ここにこういう形見を残していった人の祖父さんにあた....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
う」と言ったものだ。 学校が終ると、彼は年長の少年のために友だちともなり、遊び相手ともなった。そして、休みの日の午後には年下の子供を家に送って行ってやったが、....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
益々恐縮して、 「これは誠に恐れ入ります。御代官様の御相談ならばどんなことでも御相手になりましょう。どうか何んなりと仰せつけください。」 と言いました。 「早速....