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相手役
「相手役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相手役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
た。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家でも彼を歓迎した。棋院では初心の客の
相手役になってやるし、琴の家では琴師を頼まないでも彼によって絃の緩みは締められた....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
いうものの事件に対する観察力などというものはまるでないのだし、云わばひろ子達のお
相手役なのだから、一人でひろ子の部屋で差し向いになるのはちよつと礼を失するように....
「縫子」より 著者:宮本百合子
訳ではない、と皆逃げ去る。困ると、縫子を迎えに来た。下の働きをさせるより、桃代の
相手役に頼まれるのであった。年の大して違わない――縫子は二十三であったから――話....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
エでも配役の選択が上手である。いくらはやりっ子のプレジアンでも、相手がいつも同じ
相手役では、結局同じ穴のまわりをぐるぐる回ることになるであろう。 このあいだ見....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しか思われません。 そうして、この場合、この怖るべきお喋り坊主の舌頭にかかって
相手役を引受けている人の誰であるかが、竜之助にはっきりわかりました。相手方は何と....
「源氏物語」より 著者:紫式部
人とともに遊んで暮らした年月をそんな時にはよく思い出されるので、妹のためにもよい
相手役になりながらも時々はしおしおとした気持ちになった。若い女性たちに恋の戯れを....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
しは嬉しいのか、その記事の文句をいまだにおぼえています。 「既報“人生紙芝居”の
相手役秋山八郎君の居所が奇しくも本紙記事が機縁となって判明した。四年前――昭和六....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
人間の血と同温である。 彼女の売出しごろには舞台の背景に巴里の場末の魔窟を使い
相手役はジゴロ(パリの遊び女の情人)に扮した俳優を使い彼女自身も赤い肩巻に格子縞....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、どういうものですかね。日本の映画は、ひろいですか。広い天地だとも思われないな。
相手役の芸に関してだって、映画俳優が宝塚より達者だとも思われないし、作品の内容や....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
が、この妲妃のお百をした時が、殊に役の一番いい、幸福を予約せられた時代であった。
相手役は家橘であるから、大変出世したものである。 これからだんだん大きな役者の女....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
るでキッカケをはずされた役者のようなものであった。意気込んで舞台へ飛び出したが、
相手役がいなかったというバツの悪さをごまかすには、せめて思いも掛けぬお加代という....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
場合と冴子を相手の場合とでは、確かに自分自身を演出する調子を変えているのである。
相手役によって演技を変えて行く名優のような巧妙さだと、言ってしまえば、話は早判り....
「華やかな罪過」より 著者:平林初之輔
を感じたものです。谷村が、この劇団の座長格でもあり、演出者でもあり、おまけに妾の
相手役ですらなかったら、妾は、露骨に妾の気持ちを相手にしらせる手段をとったにちが....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
に何を食ってペチコートの下に何を着ていたかは知りもしないし知ろうともしないでも、
相手役のセリフを否定する時には両肩をすくめて両手をあげて見せるという「リアリズム....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
実なのである。シェークスピアの芝居などには傍白(アサイド)というのがあるようだ。
相手役には聞えないが観衆には聞える台詞である。もし社会でもそういうものが許された....