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相見る
「相見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
相見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「八十八夜」より 著者:太宰治
ついたときには、白髪の老人になっていた。遠い。アンドレア・デル・サルトとは、再び
相見ることは無い。もう地平線のかなたに去っている。雲煙|模糊《もこ》である。
「....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
一生他人たるまじと契りたる村越欣弥は、ついに幽明を隔てて、永《なが》く恩人と
相見るべからざるを憂いて、宣告の夕べ寓居《ぐうきょ》の二階に自殺してけり。 (明....
「さようなら」より 著者:田中英光
訳し、太宰さんが絶筆、「グッドバイ」の解題に、この原句と訳を引用し、(誠に人間、
相見る束の間の喜びは短かく、薄く、別離の傷心のみ長く深い、人間は常に惜別の情にの....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
やスズ竹の突破がなかなか苦しいのであきらめて下山することにしました。乗鞍よ、再度
相見ることはいつになるだろうと、別れを惜しみながら下って行きます。そして河内へ帰....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
な死守の勢いにまで長州方を追いつめてしまった。 幕府方にはすでに砲刃矢石の間に
相見る心が初めからない。金扇のかがやきは高くかかげられても、山陽道まで進もうとは....
「蒲団」より 著者:田山花袋
世間があり、師弟の関係があればこそ敢て烈しい恋に落ちなかったが、語り合う胸の轟、
相見る眼の光、その底には確かに凄じい暴風が潜んでいたのである。機会に遭遇しさえす....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ったので、何か颯爽たる風雲児が庸三にも想見されたと同時に、葉子がいつかその青年と
相見る機会が来るような予感がしないでもなかった。庸三は心ひそかに少しばかりの狼狽....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
見る、あちらでもこちらを見る、イヤ、何も互にワザと見るというのでも無いが、自然と
相見るその時に、夫の眼の中に和らかな心、「お前も平安、おれも平安、お互に仕合せだ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
まだ市ヶ谷にいた時、一日、堺と相語る機会を得て、数人の友人の名を挙げて、再び
相見る時のなからんことを恐れた。はたして坂口は死んだ。そして今また、横田※が死に....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
悲哀を知り、さらに限りなきの望みと力とを得たり。運命の力は強し、君とこの世にまた
相見ることなかるべきやを思うだに、この心破れんとす、いわんや永久の別れをや。』 ....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
今恒藤は京都帝国大学にシュタムラアとかラスクとかを講じ、僕は東京に文を売る。
相見る事一年に一両度のみ。昔一高の校庭なる菩提樹下を逍遥しつつ、談笑して倦まざり....
「光は影を」より 著者:岸田国士
とを思いだしていた。 もう、まる三月、なんの消息もきかぬ小萩、このまゝ、永久に
相見る機会がないかもしれぬ小萩、たとえそういう機会があつたにしろ、おそらく、彼の....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
てたっていいわ! あたしはいつまでも消えやしない…… 二人、しばらく互に遠くから
相見る…… 文麻呂 (限りない悦びが溢れて来る)ああ、夢じゃないんだ。……僕は誰....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
の部屋のスナッグでないことも、また町の周囲のあらあらしさも。 私はただあなたと
相見る悦ばしさに溺れさしていただきましょう。私は先日、夕飯後いつもする妹との散歩....
「曠野」より 著者:小川未明
よく似た木が、この地上のどこかに存在していることを知ったのです。それは、たがいに
相見ることはなくとも兄弟でなければならない。松の木は、はじめて不思議な力を感じま....