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「相通じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

相通じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
から微晶、微晶から多晶金属の組成、あるいはまたコロイドから有機体の生成等の機巧と相通じる考えである。 日光に踊る微塵の有名な譬喩の出て来るのはこの条である。私....
黒猫」より 著者:島木健作
してまだ幾日もたたぬうちに、一介の野良猫にすぎぬが、その倨傲な風格において、一脈相通じるところのある奴が我が家の内外に出没することになったのは愉快だった。 こ....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
ある意味で、所謂人間性の無制約な肯定として現れている当時のヒューマニズムの傾向に相通じる一脈をもっていたからであったと思う。「麦死なず」にしろこの「若い人」にし....
『この心の誇り』」より 著者:宮本百合子
思う。その点ではスーザンのそういう生活への感情は現代の多くの若い世代の気持と全く相通じるものをもっていると云えると思う。また、私はいつも私であっていいのだ、とい....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
んでいるようなものだ、鯉は水と住まなくてはならない、即ち魚心水心というて心と心と相通じる事がなくてはやり切れない、魂はおなじ魂を呼ぶからだろう。そうだ、うむ、よ....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
所の設立・等は云うまでもなく、最近の所謂「思想国難」提唱以来された思想善導と一脈相通じるものを持つ各種の技術的学術の奨励(「日本学術振興会」・「燃料国策審議会」....
時代と人々」より 著者:宮本百合子
興味は全く私を熱中させた。初めてここで、学校で学ぶことと自分の生活全体の関心とが相通じる一点を持ったようで、私の文学的読書も段々奥ゆきをもちはじめた。その頃はも....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
るのですが。 今日真面目な文学らしい文学を求める心が一般に動いている、それとも相通じるものですが。真の文学の要求のつよさそのものが、他面にその生れ出ずることの....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
生にすじさえ通っていれば過去にも未来にも、知己は、各※の卓抜な精励の業蹟の中から相通じる人間精神の美しい呼吸を通わせます。孤独になるのは、その者が、迷子になった....
友人」より 著者:上村松園
ちと対坐する。 彼女たちは語らない。 私も語らない。 心と心が無言のうちに相通じるのである。 私はたのしい友人をこのようにしていつも身近に置いてある。 ....
博物誌」より 著者:岸田国士
香がもう全身にしみわたり、どんな鈍いざわめきも聞き逃さない。そしてすべての樹木と相通じるために、彼の神経は木の葉の葉脈に結びつく。 やがて、興奮のあまり気持が....
」より 著者:秋田滋
――こう思われてならないのでした。彼女はその身うちに何かしらわたくしの精神と一脈相通じるものを有っていたのであります。 彼女は、わたくしの魂が放った「おう」と....
車中有感」より 著者:上村松園
児にむけた。 幼児は、わたくしを見ながら、にこにこと笑っていた。 何かやはり相通じるものがあるのであろう……幼児は東京へ着くまで、わたくしのいい相手になって....
」より 著者:佐藤垢石
を含んでいる。しかし、越後の初秋の気には、微塵も塵の澱みを見ぬ。満洲の初秋の気に相通じる。 六日町の地先で三国川を合わせると、俄に良質の岩塊を交え、水は豊富と....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
は精神の、明澄でしかも痛切な瑜珈のようなものである。」 ドイツ音楽の巨匠たちに相通じる最も大きい特徴は、内部の動きが音楽のかたちで現わされる点にある。精神内容....