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「省く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

省くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ど意味をなさない、哲学じみた事が、長々と書いてある。これは不必要だから、ここには省く事にした。 (大正六年八月十日)....
雛妓」より 著者:岡本かの子
たちだけが棺に付添うて墓地に向った。わたくしはここの場面をも悉しい説明することを省く。わたくしは、ただ父の遺骸を埋め終ってから、逸作がわたくしの母の墓前に永い間....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たから、今更こんな管々しい取調べを繰返すのは止める事としよう。 が、こゝに一つ省く事が出来ないのは、何故かくまで頑強だった支倉が飜然自白するに至ったかと云う問....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
愛嬌と物悲しさを含んでいる。そして下手ものは安く仕上げる必要から勢い手数を極度に省く、その事が偶然にもまた、芸術の方則に合致する事があり、適当な省略法が加えられ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
こに編入すべきであったが、この全集には別にポーの傑作集が出ているので、遺憾ながら省くことにして、その代りに、ポーの二代目ともいうべきビヤースの「妖物」を掲載した....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
えつ。もののいいぶりはきはきして、齢のわりには大人びたり。 要なければここには省く。少年はお蓮といえりし渠の姉が、少き時配偶を誤りたるため、放蕩にして軽薄なる....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お漏しすることとして、ただあの走水の海で御入水遊ばされたお話だけは、何うあっても省く訳にはまいりますまい。あれこそはひとりこの御夫婦の御一|代を飾る、尤も美しい....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
じめからそういう手腕を外部的にふるってもらって、それで浮くお金で女房の家庭労働を省くようにするのですな。二人で外で食事するようにしてもよろしいし、手数の省ける家....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
は道中記はなるべく簡略にしてくれろという御注文もあり、かたがた省き得らるるだけは省く方針を執りましたので、もちろんナムの村落の変った事などをことさらに話す程の事....
活人形」より 著者:泉鏡花
果てざるに、得三は忠実の仮面を脱ぎて、ようやく虎狼の本性を顕したり。入用る雑用を省くと唱え、八蔵といえる悪僕一人を留め置きて、その余の奴僕は尽く暇を取らせ、素性....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
て、『万葉集』に学ぶ立場の自由を導き入れているのである。そのことはくどくなるから省くことにするけれども、『為兼卿和歌抄』の上にさまざま述べられているのである。 ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
別にお腹も減っていなければ咽喉が乾いているわけでもありません。それでいて、これを省くと何となく物足りない感じがします。用事のある客が来たのを招き入れて用談かたが....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
いて頂きさえすればよいのですから、――それで私の義務は終るのです。余計な事は一切省くことにいたしましょう」 「なに、要点だけを承わればよろしいんですよ」 「その....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
。これ実に同君の研究に対して敬意を表するの道であって、かねて同じ手数を重ねる労を省く所以であると信ずるからである。同君の所説は大要次の通りである。 京都には上....
針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
からは何の心配もなく心|長閑に林の中を通行し得るようになったのは、時間と労力とを省く点に於ては、大なる利便を得たと共に、単に登山という見地からいえば、惜しいこと....