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「省みる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

省みるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
リ》の方の町の空でこの雨の恋しかったことなどが岸本の胸に浮んで来て、静かに自己を省みる心に返らせた。彼は到底このままの節子との関係を長く持ち続けて行くことの出来....
死生」より 著者:幸徳秋水
に、或は恋愛の為めに、或は忠孝の為めに、彼等は生死を超脱した、彼等は各々生死且つ省みるに足らざる大なる或者を有して居た、斯くて彼等の或者は満足に且つ幸福に感じて....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
も皆強い衝動を受けた。この趨勢に鑑み、中年から皇国古典の道を聞いて、大いに松雲も省みるところがあった。和尚がことに心をひかれたのは、人皇三十一代用明天皇第二の皇....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
を偲ぶにつけても、般若を学びつつ、般若を説きつつ、しかもいまだ真に般若を、自分を省みるとき、私は内心まことに忸怩たるものがあるのであります。「道は多い、されど汝....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の運命をより善くせんとするねがいである。そのねがいは消極的にみずからの足らざるを省みる謙虚な心となって、他人の運命を傷つけることをおそれる遠慮となり、自己の力の....
転機」より 著者:伊藤野枝
の邪魔も感じなかった。まっすぐに自分だけの道を歩きさえすればいいのだ。他の何事を省みる必要があろう? とも思った。あんな二人にどう間違っても敗ける気づかいがある....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
いえばそれ一億一心、民主主義といえば、ただもう民主主義、時流のままに浮動して自ら省みる生活をもたない便乗専一の俗物に限って、道義タイハイなどと軽々しく人を難ずる....
遺恨」より 著者:坂口安吾
う金がなく、その金を得るために働きたくとも働く口がなかったなどゝいう時代について省みるところがない。 昔はヤミ屋という言葉はなかった。米を買いだしてきて裏口を....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、すぐ真顔になって、 「しかし、私は決して逃げ出しはしない。逃げ出すまえに自分を省みるんだ。そして生徒の心に神を見ることが出来ないのは、自分の心に神が育っていな....
次郎物語」より 著者:下村湖人
。しかし、幼年時代からの闘争心が、今でも折にふれて鼬のように顔をのぞかせる自分を省みると、今度の場合、それが全く起こり得ないことでもないような気がして胸苦しかっ....
決闘」より 著者:神西清
どは退屈で無駄で面倒なだけだったし、さっき思わずカッとして荒い言葉を使った自分を省みると、気分が重くてならなかった。そのときポケットの中でふと手紙が指に触った。....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
近づこうとして、様々な修行の過程を踏んでいるのであって、其ためには其過程過程が、省みる毎に、あやまちと見られるのである。始めから完全な人間ならば、其生活に向上の....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
りかな、もうちっとわが身を省みたほうがよかろう、ということさ。」 「あたし何も、省みることなんかありゃしませんもの。そのへんの金棒引きが、あること無いこと口から....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
我夢中に築窯し、作陶の成果を空しくいたずらに楽しみ、自己に成就の用意があるなしを省みるいとまもなく窯に火を入れるなどは、有知のなすべきでないことわりを前四回にわ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の私を。 白き猫膝に抱けばわが思ひ音なく暮れて病む心地する この浮薄と衒気とを省みると、何が音なく暮れてだ、何が病む心地するだろうと赤面する。そこで朱線を引い....