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眉宇
「眉宇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眉宇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
あるが、その炯々《けいけい》たる瞳はほとんど怪しきまでに鋭い力を放って、精悍の気
眉宇の間に溢れて見えた。 忠直卿は、今微酔の回りかけている目を開いて、一座をず....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と申して、人の娘の体格検査を望みましたり、」 と赫となって、この時やや血の色が
眉宇に浮んだ。 「女学校の教師をして、媒妁をいたしましたり……それよりか、拾人の....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
ようだ。自殺か、他殺か。……」 流石に彼は狼狽もみせず、大きい声も立てず、だが
眉宇の間に深い溝をうかべて、なにごとか、五分間ほど、考えを纏めているらしい様子だ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
カチーフで拭った。青年の白皙な、女にしたいほど目鼻だちの整った顔が現れたが、その
眉宇の間には、隠しきれない大きな心配ごとのあるのが物語られていた。――彼はさっき....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
行を続ける。 それから、しかし、一時間しても、第二の捕鯨船は現れない。東屋氏の
眉宇に、ふと不安の影が掠めた。――もしも、このままで釧路丸が来なかったとしたら、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
てしまった。しかし、法水が心中何事を企図しているのか知る由はないといっても、その
眉宇の間に泛んでいる毅然たる決意を見ただけで、まさに彼が、乾坤一擲の大賭博を打た....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
て、 「なんのためだ。僕の手から買ってどうするつもりだ」 思わず見上げる座間の
眉宇間には、サッと一閃の殺伐の気がかすめてゆく。殺してやる! マヌエラがあの魔性....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
とりと覚めしもののごとく涼しき眼の中曇を帯びて、見るに俤晴やかならず、暗雲一帯|
眉宇をかすめて、渠は何をか物思える。 根上りに結いたる円髷の鬢頬に乱れて、下〆....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ず、絞のなえたので見すぼらしいが、鼻筋の通った、眦の上った、意気の壮なることその
眉宇の間に溢れて、ちっともめげぬ立振舞。わざと身を窶してさるもののように見らるる....
「薬」より 著者:井上紅梅
リとついている夾襖の上に、八字の皺が浮紋のように飛び出していた。老栓はのびていた
眉宇を思わず顰めた。華大媽は竈の下から出て来て脣を顫わせながら 「取れましたか」....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
つぶつと呪文でも唱え出しそうである。けれども夫人の顔には一種独特の艶があり、その
眉宇にはある物を威圧する力がある。 『あなたは日本人ですね。』 『そうです。』 ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
着けたのは野末源之丞。奥書院にて人払いの上、密談の最中。池田出羽は当惑の色をその
眉宇の間に示しながら。 「シテ、その小笠原金三郎とやら申す浪人の所持致す脇差に就....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
べき目附と眉の形の物|和かさ。人は皆|鴨川(一に加茂川に造る、)君の詞藻は、その
眉宇の間に溢れると謂うのである。 かかる優美な人物が、客に達するに(はあ、)の....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
「哲学者である」と聞いていた故、哲学者風の重厚|沈毅に加えて革命党風の精悍剛愎が
眉宇に溢れている状貌らしく考えていた。左に右く多くの二葉亭を知る人が会わない先き....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
けで、灯点しごろ所長の家へ入った。土田の令兄は、いかにも一山を背負っている気魄が
眉宇の間にもうかがえるといった人だった。私達は薪ストーブの燃えさかる座敷で噴火湾....