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眉根
「眉根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眉根の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ので、葉子が来ると内田は、何か心のこだわった時でもきげんを直して、窄《せま》った
眉根《まゆね》を少しは開きながら、「また子猿《こざる》が来たな」といって、そのつ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
数人の係員が、私達の闖入に対して、好奇の眼を瞠っていたに過ぎなかった。 喬介は
眉根に深い皺を刻まして首を傾けながら、屋上の隅から隅へ鋭い観察を投げ掛けていたが....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
せて見てくれませんか?」 この質問には流石に安藤巡査も呆れたと見えまして、暫く
眉根を顰めながら考えを絞っていましたが、やがて顔を挙げると、 「……会社、と言っ....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
残した疑問の絵のところまで来ると、何故か白亭はハッとして見る見る顔色を変えると、
眉根に皺を寄せて妙に苦り切ってしまった。 三 司法主任は流....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
記を語った。老紳士の顔は、すこし弾んで棗の実のような色になった。青年は相変らず、
眉根一つ動かさず、孤独でかしこまっていた。 賑やかな老紳士は息子を連れて、モナ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
しないで、さっさとこっちへ通抜けて来たんだが、何だあれは。」といいながらも判事は
眉根を寄せたのである。 「お聞きなさいまし旦那様、その爺のためにお米が飛んだこと....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
らは、凍結した、ベーリングの死体が現われた。 それは、両手を胸に組み、深い雛を
眉根に寄せて、顔には何やら、悩ましげな表情を漂わせていた。 しかし、息をあえい....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
而も道路は、一本道!……ところが、犯人はいない?……すると……」 蜂須賀巡査は
眉根に皺を寄せ下唇を噛みながら、道路の長さを追い始めた。が、やがてその視線が、秋....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
去った事じゃ! ……」 と云ったが、抜き身を地へ置くと、その手を頤の下へ支い、
眉根へ寄せたがために、藪睨みのようになって見える瞳で、つくづくとお浦の顔を見詰め....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
五人の人達は、どれもこれも、薄い削いだような脣をしていて、話の些中には、極まって
眉根を寄せ、苦い後口を覚えたような顔になるのが常であった。その一団が、所謂 Vi....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
けどね……自分も苦しいだろうが、どうも見ていて傍がたまらないのさ」とお光は美しい
眉根を寄せてしみじみ言ったが、「もっともね、あの病気は命にどうこうという心配がな....
「書記官」より 著者:川上眉山
首のしおらしさに、善平は一時立ち止まりて振り返りぬ。綱雄はむずかしき顔も崩さず、
眉根を打ち寄せて黙然たり。見るにこなたも燃え立つ心、いいわ、打っちゃっておけ! ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
堀川にある高師直の館では、姫のゆくえが俄かに知れなくなったので、上下一同が不安の
眉根をしかめた。しかも迂濶にそれを主人の耳に入れるのは良くないというので、小ざか....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ゃ、半分は酒が手伝って暴れてくれます、何しろしらふなんで、」といいかけて、迫った
眉根を寄せたのである。 金之助は腰をかけたまま、両手で椅子を圧えて卓子に胸を附....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
厚と、いい取りあわせであるが、そのうえ、二人は非常に仲がよさそうに見える。F君は
眉根をキッと寄せて金縁眼鏡で、声をあげて笑ったが、Hさんはこれも眼鏡だが、ややす....