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看取
「看取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
看取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
味で、今度は背盟の徒が蒙った影響を、伝右衛門によって代表された、天下の公論の中に
看取した。彼が苦い顔をしたのも、決して偶然ではない。
しかし、内蔵助の不快は、....
「生きている腸」より 著者:海野十三
すこし様子がかわっている。 さらにまた十二時間経つと、また何かしら変った状態が
看取されるのであった。 実験がすすむにつれ、リンゲル氏液の温度はすこしずつのぼ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
送話器は、船橋に通じていて、もし本船の安全を脅《おびやか》すような事件が近づくと
看取された暁には、間髪をいれず船長に報告される筈だった。そういう報告が出れば、船....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
され、整然たる形式の下に統合されるだろう。 然し――社会にもその動向は朧ろげに
看取される如く――私には智的生活よりも更に緊張した生活動向の厳存するのをどうしよ....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
る道徳ではない、永遠の来世を背景として見るにあらざれば垂訓の高さと深さとを明確に
看取することは出来ない。 「心の貧しき者は福なり」、是れ奨励である又教訓である、....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
う。そう想う人々の面に、何がなし深い恐怖と不安が漂い初めたのを、赤羽主任も一通り
看取する余裕を持っていた。 だが、見渡したところ、浴室の窓が開いている訳でもな....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
しまって来て、其の顔色は同じように蒼白化し、其の下唇は微かに打ちふるえて来るのを
看取することが出来ました。 四五十分に続く通信が終ると、阿佐谷中尉は僕を招きま....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ろう。どっちの場合も、人様のおかげをもって、どえらい傍杖的被害を喰う虞れが十分に
看取されたものだから、どうして落付いていられようか。やっぱり、椅子と共に半転がり....
「火薬船」より 著者:海野十三
なるほど、眼の光だけは炯々として、新東亜建設の大精神にもえていることがはっきりと
看取される。 「本船の目的は、どこか。また、なぜこんなに、すっかり中国式になって....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
き横浜市内には火の手が方々にあがっていた。そしてだんだん拡大の模様が、あきらかに
看取された。ぐずぐずしていては、なんだか生命の危険さえ感じられたので、彼は重大決....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
て行った。が、藤十郎は、見物のたわいもない妄動の裡に、深い尤もな理由のあるのを、
看取しない訳には行かなかったのである。 小手先の芸の問題ではなかった。彼は、も....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、幕府が瓦解し時勢が一変し、順風に帆を揚げたような伊藤の運勢が下り坂に向ったのを
看取すると、天性の覇気が脱線して桁を外れた変態生活に横流した。椿岳の生活の理想は....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
坪内君の威力はエライものだ。これが時勢であろうけれども、この時代の汐先きを早くも
看取して、西へ東へと文壇を指導して徐ろに彼岸に達せしめる坪内君の力量、この力量に....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
た。かつこの猿芝居は畢竟するに条約改正のための外人に対する機嫌取であるのが誰にも
看取されたので、かくの如きは国家を辱かしめ国威を傷つける自卑自屈であるという猛烈....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
にあるんですがね」ド・メッスは、心中ひそかに相手の落胆と憤怒と野心の奇妙な混合を
看取しながら、うやうやしく辞し去った。 伯爵がいくら渋面を作り続けようと、エリ....