看視[語句情報] » 看視

「看視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

看視の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
これにつけかれにつけもどかしい事ばかりだった。葉子は自分の目で二人《ふたり》を看視して同時に倉地を間接に看視するよりほかはないと思った。こんな事を思うすぐそば....
女の決闘」より 著者:太宰治
して、それに同意し、今朝、旅行に出たふりしてまた引返し、家の中庭の隅にしゃがんで看視していたのだ。夕方あいつは家を出て、何時《いつ》何処《どこ》で、誰から聞いて....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
迫っていた。 「正勝! 蔦やに逃げられちゃ駄目よ。わたしが戻ってくるまでちゃんと看視していてね。すぐだから」 紀久子はそう言いながら、ひらりと馬車を降りた。そ....
乱世」より 著者:菊池寛
も言い分はないはずじゃ。それを立ち居も、各々方の随意にさせてある。番兵も付けず、看視もいたさないのは、なんのためじゃ。武士たる各々方が、一旦、恭順を表せられた以....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
を指導するためには、終始おのれを客観的な位置にばかり据えていたのではいかに熱心に看視していてもどこかに見落しや、俳優に対する理解の行きとどかない点が残ってくるも....
白妖」より 著者:大阪圭吉
てない。しかもその停車場には前述のように道路の上に遮断機が下りていて番人の厳重な看視の下に切符なしでは一般に通行を許さない。だから途中からこの有料道路へ乗り込ん....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
らなんと申しましょう。彼等を殺した悪人が、彼等よりも十倍も百倍も幸福な死を国家の看視の下に遂げて居ることを知ったらなんと申しましょう。こんな不公平な不合理な処罰....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
備にかゝると、叔父重武は表面は何の動揺も示さなかったが、それ以来は、彼の見えざる看視が、見えざる触手が、僕の周囲で犇めいている事を僕ははっきり感ずるのだ。決して....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
いのです。 「いかにも君らは重大な役目を持っている。食物を摂り、呼吸をし、ものを看視していてくれる君たちのご苦労には、実に感謝している。しかし、今日改まって君た....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
げられるのを私は見た。これは非常に強く身にしみた教訓であった。私の一挙一動がみな看視されていることは疑いがない。自由! ――私はただ苦悶の一つの形式による死をの....
田七郎」より 著者:田中貢太郎
って、はじめて免がれることができた。七郎の尸は三十日も野に棄てて、鳥や犬がそれを看視していた。武はそれを取って厚く葬った。 七郎の子は登に漂泊していって、姓を....
グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
を、私に手渡した。 ――ロンドンにおける、計画は、着々として、なされたり。主任、看視者、ハドソンは、蠅捕紙の命令の、すべてを、受くるべく、既に、予告せり、貴下の....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
、どれだけ幸福かしれやしない、だが、海蛇のやつもなかなかぬけめがない、その日から看視は前にまして厳重を加えた、海蛇どもは急に元気おうせいになって足を早めた、湖の....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
の二片の肉の間に顔を突込んだまま殆んど気を失って了うのであった。 私達は十分に看視していた積りであったが、西谷青年が或る女の患者に恋情を寄せていたことを知らず....