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県庁
「県庁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
県庁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
もあちこちして監視補たちの目にかかるのもうるさかったので、すごすごと税関の表門を
県庁のほうに引き返した。
二三
その夕方倉地がほこりにまぶれ汗にまぶれて紅....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、主税の顔を瞻って、物打語るに疲れなかった。 草深辺 六
県庁、警察署、師範、中学、新聞社、丸の内をさして朝ごとに出勤するその道その道の紳....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
て置くはひどいなあ、近郷に人のない証拠だ、この郡の恥辱だ、随分思い切ったもんだ、
県庁あたりでもどうにかしそうなもんだ、つまり千葉県人の恥辱だ、ひどいなあ」 省....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
所焼け、となりの市庁は無事。それから東へ行って北長狭の辺、三宮の辺が焼けていた。
県庁は残っているが、菊水は空し。惜しいことだ、あのコレクションは。さらに東へ行っ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
た。 復一が研究生として入った水産試験所は関西の大きな湖の岸にあった。Oという
県庁所在地の市は夕飯後の適宜な散歩|距離だった。 試験所前の曲ものや折箱を拵え....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
部の連中が登ったと書いた名刺があった。引返して荒川岳を越し前岳へきてみると、長野
県庁の人々が高山越えをしてやってきた。私はこの大絶壁を有する前岳で、赤石三山と別....
「少年と海」より 著者:加能作次郎
の上に眼を落していましたが、急に思い出したように、 「お父、あの仏壇の抽出しに、
県庁から貰うた褒美があるね?」と尋ねました。 「何? そんなものがあるかな。」と....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
往来の中でも、横町へそれた貸本屋だが、亭主が、いや、役人上りだから主人といおう、
県庁に勤めた頃、一切猟具を用いず、むずと羽掻をしめて、年紀は娘にしていい、甘温、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
子被りて、払掉りしかの愛らしき児は、煎餅をば焼きつつありとぞ。物干棹持てりしは、
県庁に給仕勤むるよし。いま一|人、また一人、他の一人にはわれ偶と通にて出合いたり....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ヴナは、老伯爵夫人の以前の執事の息子で前途有望の青年と結婚した。その男はどこかの
県庁に奉職して、かなりの収入を得ているが、リザヴェッタはやはり貧しい女であること....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
で、肩には学校生徒のような茶色の雑嚢をかけていた。見たところ、御料林を見分に来た
県庁のお役人か、悪くいえば地方行商の薬売りか、まずそんなところであろうと重兵衛は....
「多神教」より 著者:泉鏡花
で、東海道の大井川より大かいという、長柄川の鉄橋な、お前様。川むかいの駅へ行った
県庁づとめの旦那どのが、終汽車に帰らぬわ。予てうわさの、宿場の娼婦と寝たんべい。....
「米」より 著者:犬田卯
眠不休で心配しているんだから。はア、組合長ら、昨日から寝こんじまった位だから――
県庁へ行く、農林省へ行く、肥料会社まで行って見る。全くお百度踏んで、それでも何と....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
…あれは何年とか言いました、早い頃です。――その錺職の近常さんの、古畳の茅屋へ、
県庁からお使者が立ちました。……頤はすっぺり、頬髯の房々と右左へ分れた、口髯のピ....
「四つの都」より 著者:織田作之助
(起って)「大阪、神戸、京都、奈良です」 初枝「はい、よろしい。それ/″\府庁、
県庁の所在地ですね」 「エイ、オウ」「エイ、オウ」という掛声が窓から入って来る。....