真っ平[語句情報] » 真っ平

「真っ平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ平の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ここの店が引っくり返っても、決しておれを恨みなさんなよ。こんなことに係り合うのは真っ平御免だ」 さんざんに機嫌を損じたらしい彼は、あらあらしく畳を蹴って立ち去....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
てもみろ。歌を作るのはやすいが、そのおかげで、見も知らぬ女を押しつけられるのは、真っ平だ。俺の幼馴染みに、楓という美女がおったが、同じ楓でもピンから数えて、キリ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
「へ?」と甚太郎はまた訊いた。 「貴様、死ぬのは恐くはないかな?」 「死ぬのは真っ平でございますよ」 「しかし所詮遁がれることは出来ぬ」 「なあに滅多に死ぬも....
地球要塞」より 著者:海野十三
開いているのだ。 だからクロクロ島が、ぴったりその穴に入ってしまえば、海底は、真っ平《たい》らになる。つまりこれが水深三十メートル内外の海底ということになって....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
ならですが何にも出来ないのです。ではといって、彼はもう外に出て他人の下で働くのは真っ平だというのですからそれもすすめる訳にはゆきません。 貧乏がだんだんひどく....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
の方からぶつかりながら、こう京一郎へ難題を出した。 「とんだ粗相をいたしました、真っ平ご免くださいますよう」うるさいと思ったので京一郎は詫びた。 「いけねえいけ....
三甚内」より 著者:国枝史郎
五 「誰だ!」 と甚内が振り返る。 「声も掛けず開けましたはとんだ私の不調法、真っ平ご免くださいますよう」 こう云いながら坐ったのは、甚内よりも十歳ほど更け....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
ひょいとばかりに突っ立った。 「へへ、これはこれはお姫様、とんだ失礼を致しまして真っ平ご免遊ばしませ。なアんて云うのも烏滸がましいが私は泥棒の鼠小僧、お初お目見....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
耳に入れたいと存じまして、お叱りを覚悟でまずい面を、突き出しましてござりますよ。真っ平ご免くださいますよう」 ていねいにお辞儀をしたものである。 不思....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
は国の為、天皇の為の犠牲、今度は村の為の犠牲か、もう我々青年は犠牲なんていう事は真っ平だ”と発言した処がさあ大変、“今まで天皇様は国民に犠牲を求めたことはない、....
或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
。」 「俺は、人間様だからな。そんな、稲荷だなんて、狐に頭を下げて頼むのなんか、真っ平だ。俺には人間の力があるだで。」 湯沢医師が、住まいの方から、盆の上に二....
猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
。このとき娘は座を整えて、母に向かっていった。私は、世間の人と結婚するのは、もう真っ平です。ですが、私の理想の男となら結婚いたしましょうと答えたのである。母は喜....
夜光虫」より 著者:織田作之助
うんだ」 「だから、あんたが何をしてもかめへんと思ったのよ」 「そんなお礼返しは真っ平だ。――だいいち僕がそんなことをすると、思ってるのか」 「だって……」 ....
入れ札」より 著者:菊池寛
様な青二才に籤が当ってみろ、反って、親分の足手|纒いじゃねえか。籤引なんか、俺あ真っ平だ。こんな時に一番物を云うのは、腕っ節だ。おい親分! くだらねえ遠慮なんか....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
一しょに行くと云うかも知れない。 第一の書生 廃し給えよ。僕は窮屈な事は真っ平だ。 早く来給え。切角の旨い山鯨を取り逃がしてしまう。 日曜日に僕達をさす....