真っ暗闇[語句情報] » 真っ暗闇

「真っ暗闇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ暗闇の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
が坐《すわ》った。あえぎもがきながらこれを振いおとして、枕の上に身を起し、部屋の真っ暗闇《くらやみ》のなかを熱心にじっと見つめながら、耳をそばだてると――なぜそ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人の女……例の古井戸の方へ忍んで来た奴は、松吉を突き退けて逃げたんです。なにしろ真っ暗闇ですからね」 「井戸へ飛び込んだのは誰なんです」 「飛び込んだのじゃあな....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
の官舎や左側の無電室には、明るい灯がともっているが、真ン中の海に面した灯台の頭は真っ暗闇だ。地上の灯の余映を受けて、闇の中へ女角力の腹のようにボンヤリと浮き上っ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の仕方はどうかと。心配するだけ野暮天、素人。これも、やっぱり診察同様。盲目探りの真っ暗闇だよ。すぐに脳天砕かぬところが。開け行く世のお蔭か知らぬが。患者側から云....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
知らぬ男が入っているのを、ちょっと認めることができた。けれども、すぐにまったくの真っ暗闇となり、私たちはただその男がみんなの真ん中に立っているのを感ずることがで....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
で「起きろ!」という言葉をささやいた。 私はまっすぐに坐りなおした。まったくの真っ暗闇だった。私は自分を呼び起したものの姿を見ることができなかった。どんな場所....
暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
だして「ピー」と一声鳴らしました。すると実験室の電灯がさっと消えて家の外も中も、真っ暗闇に包まれてしまいました。 それから先、何事が起こったかは読者諸君の想像....
地上」より 著者:島田清次郎
遠であったり不滅であったりしては己は自殺することも出来ない。虚無ということもない真っ暗闇の無であってくれ! 静子、実際の心を打ち明ければ己は自殺したくてたまらな....
夜光虫」より 著者:織田作之助
並みは続いていたが、停電のせいだろう、門燈は消えて、洩れて来る一筋の灯りもなく、真っ暗闇だった。 「この先に交番があった筈だが……」 と、小沢がふと呟くと、娘....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
こともできない。顔もうっかり動かされない、そこら一面硝子破片のペーパーだ。その上真っ暗闇で、自分の上にどんな物がどんなふうに平衡を保って乗っているのやらわからな....
凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
扉の向うには、やや離れた処に、一つの大きな窓があってあたりが一面に咫尺を弁ぜぬ真っ暗闇であるのに、ただその窓のみが、四角に区切られた火炎の如く、橙色に輝いてい....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
けん。誰も彼もぐうぐう鼾ばかりかいとって、始末におえん。甲板さん出て見たっちゃ、真っ暗闇で、歩けもせん。星も出とらん。雨でん降りまっしゅごたる。」 「どもならん....