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真っ最中
「真っ最中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真っ最中の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
襷掛《たすきがけ》であった。何でも台所か――台所がなければ、――奥の方で、用事の
真っ最中に、案内のため呼び出されたから、こう急がしそうに尻を振るんだろう。それと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
絶えなかった。前にいう七月のある日、なんでも午後の三時頃であったらしい。大夕立の
真っ最中、その柳に落雷したのである。 雷雨を恐れて、わたしの家では雨戸をことご....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に煙りを揚ぐと、こうはっきり記されてある。享禄以降天正までと云えばいわゆる戦国の
真っ最中で武田信玄の全盛期である。 富士の裾野、鍵手ヶ原のこんもりとした森の中....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
とこれもちがう……」
違うのは、捨てるんです――じぶんの袂へ。
この大騒動の
真っ最中、もう一つ騒動が降って湧いたというのはちょうどこの時、坂下から群衆を蹴散....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
に猫を用心するんだよ。」 さて一同で裏庭に着いてみますと、そこでは今、大騒ぎの
真っ最中です。二つの家族で、一つの鰻の頭を奪いあっているのです。そして結局、それ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
船をあやつった彼の手腕を容易に忘れ得ないであろう。電光のひらめきと風のうなりとの
真っ最中に、ブリッジを前後に歩き廻っていたその夜の彼のような、あんな快活な、むし....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
のさ。 木戸番の老爺が番台の上に坐って、まねきの口上を述べていた。 「八人芸の
真っ最中で、見事なものでございますよ。足で胡弓を弾くかと思うと、口で太鼓の撥をく....
「可愛い女」より 著者:神西清
組み打ちしながら、そのめざす大事な敵――かの冷淡なる見物を攻め落とそうと、突撃の
真っ最中のように思われるのだった。すると彼女の心はあまくしめつけられ、まるっきり....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
中橋のほうへもまた足を向けては寝られないこととなってしまった。 そうした苦しい
真っ最中に、老衰で父の圓太郎が、枯木の倒れるようになくなった。つづいて兄の玄正が....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
である。 それにしてもE師の情痴はあくまでE師らしく、彼女と同衾《どうきん》の
真っ最中でも、抱擁の最高潮時でも、いちいちそのこと自身にいやに糞真面目な理屈がつ....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
れて残っています。その両側には二、三十人の子分がずらりと居ならんで、今が酒盛りの
真っ最中です。座敷の下の方には六枚折りの屏風が逆さに立ててありました。 六三郎....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
縋りつくであろう。問題は、縋りつかれた男の方の、出方であった。ゴロゴロピカピカの
真っ最中に、いくら艶かしく縋りつかれたからとてそんな恐怖のタダ中で、味な気なぞが....
「涙香に還れ」より 著者:野村胡堂
、探偵作家の一つの通り言葉になった時代さえあった位である。 その後太平洋戦争の
真っ最中、筆を執ることさえ稀になった私と江戸川乱歩氏は、自分の持って居る涙香の著....