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「真っ直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
してすだれのあいだから窺っていた。 藻はそれらに眼もくれないように、形を正して真っ直ぐにあるいて行った。千枝松はもう堪まらなくなって声をかけた。 「藻よ。どこ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
んらかの原因で屈折するとする。そうしてたとえば真上を見ようと思うときにその視線は真っ直ぐに無限の上方に向かわないで地球のまわりに彎曲するために地球の反対側を見る....
食魔」より 著者:岡本かの子
めないのだろう。人間に好くという慾を植えつけて置きながら、その慾の欲しがるものを真っ直には与えない。誰だか知らないが、世界を慥えた奴はいやな奴だ」 その憤懣を....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
さかにきゃっと叫んで逃げる程でもなかったが、わたしは再び振り返る勇気もなく、ただ真っ直ぐに足を早めてゆくと、女もわたしを追うように付いて来る。女の癖になかなか足....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ってもいられないので、わたしは次の日に出発して、宇都宮に一日を暮らして、それから真っ直ぐに帰京しましたが、何分にも昌吉のことが気にかかるので、横田君に手紙を出し....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
線は俯伏しに倒れている人を越えて、踏み荒らされたる現場より森のはずれへ、しずかに真っ直ぐにすすみゆくなり。それが森へと行き着くを見おくり果てて、さらにわが同伴者....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
とでもしているように、夕日にむかって一直線に歩いて行った。彼は常に太陽にむかって真っ直ぐに歩いてゆくのである。そこで、夜になって荒野で何をするのであろうと、その....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
。 「それ、お客様がおいでだから、もう帰れ、帰れ。山女はきょうも要らねえ。さあ、真っ直ぐに帰るんだぞ。奥の方へ行ってうろうろするんじゃねえぞ。いいか。」 女の....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、母親は言いました。 「まあ何て上手に脚を使う事ったら! それにからだもちゃんと真っ直ぐに立ててるしさ。ありゃ間違いなしに私の子さ。よく見りゃ、あれだってまんざ....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
で、その辺から川筋はよほど曲っていくので、僕は堤の芒にわかれを告げて、堤下の路を真っ直ぐにあるき出すと、暗いなかから幽霊のようにふらふらと現われたものがある。思....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
しまった。 「都合によると、僕はステーションへ迎いに出ていないかも知れないから、真っ直ぐにここへ来ることにしてくれたまえ。いいかい。廿九日だよ。なるべく午前に来....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
衛は熱でも出たように、うとうとと眠っていた。 あしたは鎌倉へ廻ろうか、それとも真っ直ぐに江戸へ帰ろうかというお杉の相談に対して、庄五郎は思案しながら言った。 ....
橋の上」より 著者:犬田卯
なかった。隣村に下宿している一人の先生――それさえもう通ってしまったに相違ない。真っ直ぐな道を見渡しても、誰もやって来るものがなかった。 圭太は死んでもいいと....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ちても是非がないと言うのであった。その意味を煎じつめると、彼は師直の恋を最後まで真っ直ぐに押し通させよと言うので、うき世の義理も法も眼中には置いていないらしかっ....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
心して、起ち上がって元気好く、項を反せて一番近い村をさして歩き出した。 女房は真っ直に村役場に這入って行ってこう云った。「あの、どうぞわたくしを縛って下さいま....