真っ赤[語句情報] » 真っ赤

「真っ赤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ赤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
夫《めおと》じゃ」 ほかの子供たちが妬《ねた》んでからかうと、千枝松はいつでも真っ赤になって怒った。 「はて、言うものには言わして置いたがよい。わたしも父さま....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
たかい柚をかきわけて流し場へ出た。それから水船のそばへたくさんの小桶をならべて、真っ赤にゆでられた胸や手足を石鹸の白い泡に埋めていた。それを見るともなしに眺めな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ち哀愁の涙に変った。角太郎の勘平が腹を切ると生々《なまなま》しい血潮が彼の衣裳を真っ赤に染めた。それは用意の糊紅《のりべに》ではなかった。苦痛の表情が凄いほどに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つ》られていた。近所で訊いてみようと四辺《あたり》を見まわすと、三十格好の女房が真っ赤な手をしながら井戸端で大束《おおたば》の冬菜《ふゆな》を洗っていて、そのそ....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
、どうも、これがそもそも悪いことの始まりでした。奥様は大変お嘆きになって、お眼を真っ赤に泣きはらしながら、お父様と御一緒にお帰りになるし、旦那様は、なにか大変不....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
みると、梯子は根もとから見事に折れて、その隣りの垣を倒していた。その頃には烏瓜が真っ赤に熟して、蔓や葉が搦み合ったままで、長い梯子と共に横たわっていた。その以来....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
いものはどうしても飲めない。日本酒なら、小さな盃の五分の一も甜めると、爪の先まで真っ赤になって、胸は早鐘のように動悸うつ。奈良漬けを五切れ六切れ食べてもやはりお....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
で何をするのであろうと、そのあとからそっと付いて来た人たちの心には、大きな落陽の真っ赤な夕映を背景にした、大男の黒い影法師がこびり付いて来る上に、暗い夜がだんだ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に乗せて城の中庭へ引っ立てて来た。女のジプシーの群れの中では、頭から足のさきまで真っ赤な肩掛を着た一人のひょろ長い、痩せこけた、ものすごい顔の老婆がすぐに目につ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
がら訊いた。 「むむ。それを言い忘れたが、なんでも春のなかばで、そこらの桃の花が真っ赤に咲いて、おいおい踏青が始まろうという頃だった。そうだ、シナ人の詩にあるじ....
橋の上」より 著者:犬田卯
るところの足許へそれを置いて歩いた。それを知った女生徒は、この思いがけない悪戯に真っ赤になって逃げ出したが、綾子は運悪くも、その一人に属していた。 「綾子の奴、....
青い時計台」より 著者:小川未明
きなテーブルが置いてあって、水晶で造ったかと思われるようなびんには、燃えるような真っ赤なチューリップの花や、香りの高い、白いばらの花などがいけてありました。テー....
赤いろうそくと人魚」より 著者:小川未明
頭髪がびっしょりと水にぬれて、月の光に輝いていたからであります。女は箱の中から、真っ赤なろうそくを取り上げました。そして、じっとそれに見入っていましたが、やがて....
赤い手袋」より 著者:小川未明
っくりしていたのです。 このとき、町の方から、七つ、八つの男の子が、手足の指を真っ赤にして、汚らしい着物をきて、小さなわらじをはいて、とぼとぼやってきました。....
赤い実」より 著者:小川未明
てしまって、ざくろの木は枝ばかりになっていました。その一|本の枝のさきに、小さい真っ赤なものが、ついていたのです。そして、それはなんであるか、お母さんにもわかり....