真っ青[語句情報] » 真っ青

「真っ青〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ青の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れて暑かった。 「藪入りにはおあつれえ向きだが、おれたちには難儀だな」と、松吉は真っ青な空を仰ぎながら云った。 宮の渡しを越えて、神奈川の宿《しゅく》にゆき着....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
獣の様な唸り声が聞えた。振り向くと、矢島五郎が、鼻の頭をびっしょりと汗で濡らし、真っ青になりながら唇を噛み締めて地団駄踏んでいる。喬介は微笑みながら再び海上へ眼....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
た。こんどこそは晴明がしくじったと思いました。そばについていたおとうさんの保名も真っ青になって、息子のそでを引きました。けれども晴明はあくまで平気な顔をしていま....
一本のわら」より 著者:楠山正雄
「もう一足も歩けません。ああ、のどがかわく。水が飲みたい。」 といいながら、真っ青な顔をして往来に倒れかかりました。侍たちはびっくりして、どこかに水はないか....
」より 著者:織田作之助
い。 私はしびれを切らせて、彼が降りる筈の駅まで迎えに行くと、半時間ほどして、真っ青な顔でやって来た。 「どうしたんだ」ときくと、 「徹夜して原稿を書いてたん....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
黙ってあるき出した。きょうは風のないうららかに晴れた日で、ゆくさきに見える山々が真っ青な大空の下にくっきりと浮き出していた。そこらで小鳥のさえずる声も晴れやかに....
電信柱と妙な男」より 著者:小川未明
はっきりとわかりました。たちまち妙な男は大きな声で、 「やあ、おまえさんの顔色は真っ青じゃ。まあ、その傷口はどうしたのだ。」と、電信柱の顔を見てびっくりしました....
青い時計台」より 著者:小川未明
計台で、塔の上に大きな時計があって、その時計のガラスに月の光がさして、その時計が真っ青に見えていました。下には窓があって、一つのガラス窓の中には、それは美しいも....
夕焼け物語」より 著者:小川未明
望みを書いた紙を持って、ある夕焼けの美しい晩方に浜辺にまいりました。北の海は色が真っ青で、それに夕焼けの赤い色が血を流したように彩って美しさはたとえるものがなか....
空色の着物をきた子供」より 著者:小川未明
みが起こって、夕焼けの雲の影を乱しました。しかして、それが、静まったときに、その真っ青な水の面には、少年の白い顔がありありと映って、じっと三郎の顔を見つめて、音....
灰色の姉と桃色の妹」より 著者:小川未明
た。ほかの子供らは、そのことには気づかなかった。すると、たちまちその子供の顔色は真っ青に変わってきました。 「気分が悪くなった。」といって、子供は、みんなに別れ....
三匹のあり」より 著者:小川未明
、けっして、赤くなった葉につかまってはならぬぞ。いまは、ああしてどの葉を見ても、真っ青だけれど、やがて秋になると、あの葉が、みんなきれいに色がつく、そうなると危....
女の魚売り」より 著者:小川未明
の音がしていたのでした。 二人は、一つの砂山を上がりますと、もう、目の前には、真っ青な海が、浮き上がっていました。そして波の音が、絶え間なく起こっています。海....
黒い人と赤いそり」より 著者:小川未明
らです。 ある日のこと、猟師たちが、幾そうかの小舟に乗って沖へ出ていきました。真っ青な北海の水色は、ちょうど藍を流したように、冷たくて、美しかったのであります....
赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
俺達は一度に声を挙げて集まって来たのだ、 反動の軍旗をへし折って来たのだ、真っ青になって口も利けなくなった師団長の 高慢なシャッポを蹴飛ばして来たのだ。 ....