真っ黒い[語句情報] » 真っ黒い

「真っ黒い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真っ黒いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
汽笛」より 著者:佐左木俊郎
子《あきこ》の蒼白《あおじろ》い顔ばかりでなく、父親の吉川《よしかわ》機関手が、真っ黒い髯面《かお》を覗《のぞ》けていることがあったことを。 柴田貞吉は秋子を....
すみれ」より 著者:北条民雄
りする程でした。取り分け淋しいのは、お日様がとっぷりと西のお山に沈んでしまって、真っ黒い風が木の葉を鳴かせる暗い夜です。じいさんがじっと囲炉裏《いろり》の横に坐....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
ある。 六里ヶ原で、めぐり会ったのは、五月上旬の、まだ枯芒のままの枯野の中で、真っ黒い山のおじさんと真正面にぶつかったのである。その距離、僅かに数間。共に、だ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
ある。自分は、本所の割下水で生まれた。つまり、割下水が故郷だ。引き潮時に、掘割の真っ黒い水の底から、ぶつぶつと沸き立つ、あの溝の臭みが故郷の匂いである。 とき....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
は情愛が深い。雌鯨が銛を打たれると、決して側を離れないのである。心痛、悲哀の状を真っ黒い背中に現わして、雌の傷口から流れ出した鮮血で真っ赤になった海上を、おろお....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
、それでも赤い米粒ほどの花をつけていた。 溝には、いろいろな物が捨ててあって、真っ黒い泥が澱んでいた。泥のしみた古下駄だの空罐だので堰かれたところに、僅か水が....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
、金切り声をあげて、筏の上から指揮をする。 「トクべえさん、あんたの足ンとこへ、真っ黒いのが潜《くぐ》って来たぞォ。蹴っ飛ばせえ、やッつけっちまえ」 もう敵も....
凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
には、丈夫な蝶番さえ付けてあった。 彼等はそこから下を覗いて見た。 そこには真っ黒い穴が口を開けていた。 よく見ると幅が三尺ばかりある混凝土の階段が下へ降....