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「真の道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真の道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
目な口調に返り、 「僕なら、平気でやってのけるね。自己優越を感じている者だけが、真の道化をやれるんだ。そんな事で憤慨して、制服をたたき売るなんて、意味ないよ。ヒ....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
詣いたした節、かように申して起誓したことがござる。良沢が蘭学に志を立て申したは、真の道理を究めようためで、名聞《みょうもん》利益のためではござらぬゆえ、この学問....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
念を選んだことは、だから初めから不思議なことではなかったのだ。 処で私は先に、真の道徳なるものが、常識的な道徳観念では片づかない所以を見て来た。そして今や、そ....
絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
一的に、イデヤ的に自己自身を形成し行く所に、我々が行為的直観的に創造的なる所に、真の道徳があるのである。 かかる意味において、文化的過程は倫理的でなければなら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
両度、その後は年に一度、四月の二十一日、真行草《しんぎょうそう》の三つの品の中、真の道中は新艘《しんぞう》の出る時、そうしてこれは、最も普通の意味における道中、....
石を投ぐるもの」より 著者:宮本百合子
場合、基本的な人権の劬り、事件関係に対する社会の現実に立ったリアルな科学的洞察、真の道義的責任のありどころを明確にすることがのぞまれて当然である。一つの行為に対....
辞典」より 著者:戸坂潤
云うまでもない。個人の性格は団体へ関与することに於て初めて成り立ち、団体意識こそ真の道徳的意識である。義務や当為は従前とは異ってもはや道徳の内的本質ではなく、そ....
河霧」より 著者:国木田独歩
、この家の少年を餓鬼大将として荒れ回ったところである。さらに維新前はお面お籠手の真の道場であった。 人々は非常に奔走して、二十人の生徒に用いられるだけの机と腰....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
身体を痛めつけ、あらゆる楽しみをみずから禁じた。あるいは、自分のような者には力が真の道徳であると思い込んだ。そして快楽の追求にふけった。しかしいずれの場合におい....
学生と教養」より 著者:倉田百三
徳的価値盲の説のように、人間の傲慢、懶惰、偏執、欲情、麻痺、自敬の欠乏等によって真の道徳的真理を見る目が覆われているからだ。倫理学はこの道徳盲を克服して、あらゆ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
む、道了塚!」 と、薪左衛門は、グッと眼を据えた。 「するとお父様には、それを真の道了様と思われ、毎晩のように、躄り車に乗られ、塚の周囲をお廻りなさいましてご....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
ない。みんな自己本位の狭隘なる世界に立籠っています。都は虚偽にみちみちています。真の道徳は地を払ってしまった。……自己の栄達のためには、どんな不道徳なことでもし....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
対の立派な夫婦が出来上ったわけなのです。 道子を知って居た人々の中には、あれは真の道子の意志ではあるまい、案外有るように見えて無いのが金だから、或いは道子は、....
文化線の低下」より 著者:小川未明
は、日に進みつゝあるにかゝわらず、この世の中が、人間的に向上したと言えないのは、真の道徳的社会から、却って、遠ざかりつゝあるがためです。この意味に於て、世の中は....
」より 著者:中谷宇吉郎
案なのである。駅から五里の雪道を、原始林の間を縫い、馬橇《ばそり》で顕微鏡だの写真の道具だの食糧だのを運ぶのは大仕事であったが、計画は見事成功した。白樺の老樹の....