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「真一文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真一文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
が逃げるのを見ると、ひとしくきりりと尾を巻いて、あと足に砂を蹴上《けあ》げながら真一文字に追いすがった。 が、彼のこの企ては、単に失敗したというだけの事ではな....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
犬は空へ舞い上って、青雲《あおぐも》の向うにかくれている、遠い生駒山の峰の方へ、真一文字に飛び始めました。 三 やがて髪長彦《かみながひこ....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
に立たせ、清八、鷹をと御意ありしかば、清八はここぞと富士司を放つに、鷹はたちまち真一文字《まいちもんじ》に重玄の天額をかい掴《つか》みぬ。清八は得たりと勇みをな....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
いはますます躁《さわ》ぎて、敵手《あいて》なき喧嘩《けんか》に狂いぬ。 御者は真一文字に馬を飛ばして、雲を霞《かすみ》と走りければ、美人は魂身に添わず、目を閉....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
つづけた。 ――人造人間の手によって。 数百台の攻撃ロケット艇が地表から天空真一文字に昇騰していった。地下では砲弾や毒ガス弾や解磁弾が山のように作られていっ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ぞに波打ちぎわに出て見ると、やや緑色を帯びた青空のはるか遠くの地平線高く、幔幕を真一文字に張ったような雪雲の堆積に日がさして、まんべんなくばら色に輝いている。な....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
田の驍将馬場美濃守信房である。手勢七百を二手に分けると見ると、さっと一手を率いて真一文字に突入って、忽ち丸山を占領して仕舞った。そして新手を丸山の前に備えた。神....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
立ち、息をもつかずに攻め立てたので、塁兵遂に崩れた。瀬兵衛も手勢五百を密集させ、真一文字に寄手に突入って縦横に切って廻るので、寄手は勢に気を奪われた形である。盛....
火星兵団」より 著者:海野十三
において、すさまじい惨劇が起った。ピート大尉のロケットが、白いガスを吐きながら、真一文字に、ぐんぐんと進んでいくところは、まことに勇ましいものがあったが、そのう....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
一下、噴行艇アシビキ号は、休む暇もなかった火星に別れをつげた。そして大宇宙の中を真一文字に、本隊を追って猛進また猛進を続けつつあった。 かくして大宇宙の中を突....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
い、頭を払い、袖を払った。茶番の最明寺どののような形を、更めて静に歩行いた。――真一文字の日あたりで、暖かさ過ぎるので、脱いだ外套は、その女が持ってくれた。――....
奇巌城」より 著者:菊池寛
古城へ向った。ボートルレとバルメラ男爵はその案内役になった。 遅かった!正門は真一文字に開かれて、城の中に残っているものはいくつかの台所道具ぐらいであった。 ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とったガンパウダーのやせほそった脇腹を滅多打ちにした。馬は、鼻息もあらあらしく、真一文字に走りだした。ところが、橋のまぎわまで来ると、はたと立ちどまり、不意をく....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
て――」 「しかし、あの方のはそればかりじゃないんですよ」 と云って、彼は唇を真一文字に結び、顎髭をしごいている。伯父の死に就いて、彼のみが知る、何事かがある....
心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
の眼で見てきたのだから間違いはない、価格はまず五億万円ほどだ」 と云って、口を真一文字にきゅッと結び、皆を見廻した。隣席にいた人は、その時、思わず低い呻きのよ....