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真北
「真北〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真北の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
思議に嬉しくもあり、また……幼い了簡だけれども、何か、自分でも立派に思った。 (
真北じゃな、ああ、) とびくりと頷いて、 (火の車で行かさるか。) 馬鹿にし....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
暗し太平洋 わが海軍の主力、聯合艦隊は、小笠原諸島の東方、約一千キロの海上を、
真北に向って進撃中であった。 珍らしや、聯合艦隊! 日米国交|断絶の直ぐ後、....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
火の明滅しているのが見え、さながら夢の国をさ迷っているような気がした。頂上からは
真北に出た尾根を下り、一二〇〇メートルくらいから右の谷へ入ったが、この谷はあまり....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
「ワッ」と叫んで仆れる音。誰か斬られでもしたらしい。 躑躅ヶ崎の信玄の館が、
真北にあたって聳えていた。その方角から一瞬間、消魂しい物音の聞こえたのは、癩人が....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
に小天守が立っていた。小天守の中へ這入って行った。東に進むと廻廊があった。それを
真北へ進んで行った。その行き止まりに天主閣があった。入口に固めの番士がいた。宗春....
「怪塔王」より 著者:海野十三
も向こうの速度がはやいので、どうすることもできません。怪ロケット機の姿を、ついに
真北の方角に見失いました」 5 それっきり、怪塔ロケットの行方はしれ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
であった。 「なに、空魔艦?」 隊員はおどろいて天幕の外に出た。 なるほど、
真北の空、地上から約五千メートルと思われる高空に、空の怪物大空魔艦がうかび、しず....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
七十キロも伸びているのだ。もっと明白にいうと、北の方は勿来関、西へ動いて東京から
真北の那須、群馬県へ入って四万温泉のあるところ、それから浅間山、信州の諏訪の辺を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
が、鹿落は寂しい処だよ。そこを狙ったわけでもないが、来がけに一晩保養をしたがね。
真北の海に向って山の中腹にあるんだから、長い板廊下を九十九折とった形に通るんだ。....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
れたりするんじゃあない、上へ斜、下へ斜、右へ斜、左へ斜といった形で、おなじ方向を
真北へさして、見当は浅草、千住、それから先はどこまでだか、ほとんど想像にも及びま....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
せぬ。 一体いつでも小雨が降っておりますような、この上もない陰気な所で、お城の
真北に当りますそうな。ちょうどこの湯の谷とは両方の端で、こっちは南、田※も広々と....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
らの島へ帰ることもできなくなるだろう。 だが、日がくれれば星が出る。北極星は、
真北にあるのだから、北極星を見て、方向をたしかめることができるけれども。 私は....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
。いちばん激しいあらしは、ベルリーヴ岬とコペー村のあいだの湖の一部を掠めて、町の
真北を襲っていた。もう一つのあらしは、微かな閃光でもってジュラ山系を照らし、さら....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
白色の光を放っているのを眺め得よう。 足尾山の左は、わが赤城だ。私の村からは、
真北よりも東に位置して、前橋の街を裾の間へ掻い込まんばかりにして聳えている。 ....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
こやらまだそれは動揺していて頼りないところがある。一度その北の雪国を思わせる風が
真北に変わって山の低みから吹き下ろして来たならば、この鎌倉の春は瞬く間に後もどり....