»
真只中
「真只中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真只中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生きている腸」より 著者:海野十三
が五つほど残っていた。 彼は、学校に出かけることは殆どなく、たいがい例の喧騒の
真只中にある風変りな自宅でしめやかに暮していた。 いまだかつて彼の家をのぞいた....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
た。 三人の記者たちは、困惑の絶頂に放り上げられていた。非常に愕くべき出来事の
真只中に今自分たちが置かれているのだ。しかもその愕くべき出来事が一体何事であるの....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ざいました」 「やあ、帆村君」警部は、青年探偵帆村荘六の和やかな眼をみた。事件の
真只中に入ってきたとは思われぬ温容だった。彼は帆村を使うことを許した覚えはなかっ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ている真実を求める心は、主人公の気づかぬ間に、いつしか彼を散歩と称して、臭気漂う
真只中に押しやっていたのだった。 それは一種|香ばしいような、そして官能的なと....
「地球盗難」より 著者:海野十三
げると、アレヨアレヨといううちに、矢追村の南に真黒な海水をたたえている大戸神灘の
真只中に、天に冲する水煙と共に落下し、つづいて轟然たる音響と共に花火のような一大....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
……小初……先生……小初先生……ばか……ばか……」 風の加った雨脚の激しい海の
真只中だ。もはや、小初の背後の波間には追って来る一人の男の姿も見えない。灰色の恍....
「火星探険」より 著者:海野十三
そのかわり全体がぎらぎらと眩《まぶ》しく銀色に光を増した。今や自分たちが大宇宙の
真只中に在ることが、誰にもはっきり感ぜられた。 エンジンなおらず そのと....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、兇賊籠ると知れて、まだ邏卒といった時分、捕方が多人数、隠家を取巻いた時、表門の
真只中へ、その親仁だと言います、六尺一つの丸裸体、脚絆を堅く、草鞋を引〆め、背中....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
なる秋の夕暮を想い出すそうである。――なにしろ、ここは、人跡まれなる濠洲の砂漠の
真只中である。詰襟の服なんか、とても苦しくて、着ていられなかった。 この砂漠に....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
の眼に入ったものはなんであったか? 「船だ、船だ!」 それは船であった。氷原の
真只中に、氷にとざされて傾いている巨船であった。 ああ北極の難破船! あれが着....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
遠洋航海中随一の見物だぞ」 明日は見られるという飛行島! それは広い広い海の
真只中に作られた飛行場だった。もちろんその飛行場は、水面に浮かんでいるのだった。....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
ははらばいながら岬の端へ出て下を覗き込んだ。少年のすぐ眼の下に底の知れない蒼海の
真只中から、空中につっ立っている一つの大きな大きな巌がある。高さが四十間以上もあ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
ているんだわ。……ねえ、文麻呂。そんな気がしない? あたし達はいつの間にか大空の
真只中に出てしまったの。もう、どうすることも出来ないんだわ。ただ、しっかり抱き合....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
れぞれの行路へと追い立てて来た。私達の卒業は同時にまた、欧洲大戦後の鉱業界不況の
真只中へ放り出された事だった。ながい不況時代のあとに来た満洲事変は、私達仲間の位....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
しっかりさせるのです。ちょうど「泥中の蓮の花」のように、雑多な野心や誘惑や愛欲の
真只中に生活しながらもその汚れに染まず、しかもその欲望、誘惑をうまく消化善用して....