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真夜中
「真夜中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真夜中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《くだ》る筈です。
もう二年あまり以前の話ですが、ちょうどある凩《こがらし》の
真夜中です。わたしは雲水《うんすい》に姿を変えながら、京の町中《まちなか》をうろ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、さらに兵衛《ひょうえ》をつけ狙った。が、その後《ご》四五日すると、甚太夫は突然
真夜中から、烈しい吐瀉《としゃ》を催し出した。喜三郎《きさぶろう》は心配の余り、....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
利耶観音なのです。お栄はそれを見ると同時に、急に※《こおろぎ》の鳴く声さえしない
真夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へ縋《すが》りついたまま、しくしく泣き出....
「葱」より 著者:芥川竜之介
燈火をつつましやかにともしてくれる。ああ、東京の町の音も全くどこかへ消えてしまう
真夜中、涙に濡れた眼を挙げながら、うす暗い十燭の電燈の下に、たった一人|逗子《ず....
「白」より 著者:芥川竜之介
た告訴《こくそ》を起すといきまいている。等《とう》、等、等。
五
ある秋の
真夜中です。体も心も疲れ切った白は主人の家へ帰って来ました。勿論《もちろん》お嬢....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
漂っているだけで、停留場の柱の下は勿論、両側の町家がことごとく戸《と》を鎖した、
真夜中の広い往来にも、さらに人間らしい影は見えません。妙だなと思う途端、車掌がベ....
「或る女」より 著者:有島武郎
で呼びかけてみた。
しかし葉子の規則正しく楽しげな寝息は露ほども乱れなかった。
真夜中に、恐ろしい夢を葉子は見た。よくは覚えていないが、葉子は殺してはいけないい....
「或る女」より 著者:有島武郎
るに違いないと思った葉子は、病院に泊まるものと高《たか》をくくっていた岡が突然|
真夜中《まよなか》に訪れて来たので倉地もさすがにあわてずにはいられまい。それだけ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の胸をぎゅっと引きしめるようにして、熱い涙がとめどなく流れ始めた。君はただひとり
真夜中の暗やみの中にすすり上げながら、まっ白に積んだ雪の上にうずくまってしまった....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の峰が、右からも左からも、もくもくと群がり出でて満天に折り重なり、四辺はさながら
真夜中のような暗さに鎖されたと思う間もなく、白刃を植えたような稲妻が断間なく雲間....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
コオトをひっかけていた。僕はいまもそのホテルの部屋に前の短篇を書きつづけている。
真夜中の廊下には誰も通らない。が、時々戸の外に翼の音の聞えることもある。どこかに....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
うな鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々
真夜中ニ私ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ乗リ移ラセマス。私ハソノ神ガ乗リ移ッ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
最後の理由を述べ尽しているのである。以下その手記である、―― 夜も更けた、もう
真夜中である。私はこの手記を書いてしまうと自殺をするのだ。なぜだ? 私はその理由....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いているのを見ると、彼らはいつも嵐の来襲にそなえたものである。ときには彼の一味が
真夜中に家々のそとを、ドン・コサック兵の一隊のように、駈けてゆくのがきこえること....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
原の中に立った白張りの提灯を想像し、何か気味の悪い美しさを感じた。しかもかれこれ
真夜中になると、その早桶のおのずからごろりところげるというに至っては――明治時代....