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真槍
「真槍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真槍の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
らしいが、その声は妙に上ずっていた。 「左太夫! 槍といい剣といい、正真の腕前は
真槍真剣でなければ分からない! タンポの付いた稽古槍の仕合は、所詮は偽りの仕合じ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のうてん》を軽く打っておいて、莞爾《かんじ》と打ち笑いながら、うしろに控えていた
真槍隊《しんそうたい》に言い呼ばわりました。 「江戸旗本は、斬ると言うたら必ず斬....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
げしい流儀じゃ。町道場の如き生ぬるい槍と思われては後悔するぞ。まった、当院は特に
真槍の試合にも応ずるが、当院に於いて命を落した武芸者は既に数名に及んでいる。寺院....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
えられた叫びと共に、さッと繰り出したのは、奇怪! 穂先もドキドキと磨ぎ澄まされた
真槍なのです。――俄然、道場内は時ならぬ殺気に覆い尽されました。並居る門人達の色....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「これでまいる! 素手は素手ながら三河ながらの直参旗本、早乙女主水之介が両の拳、
真槍白刄よりちと手強いぞ。心してまいられい…」 「………」 「臆するには及ばぬ…....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ねに変らぬ旗本気ッ腑は、人も許し天下も許す自慢の江戸魂でした。ましてや穏かならぬ
真槍がくり出されるに至っては、あれが啼くのです、しきりと、あの眉間傷が夕啼きを仕....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、見せるのもいやなんだが、汝《てめえ》たちがあんまり執念《しつこ》いから、一番、
真槍《しんそう》の突きっぷりを見せてやることになるんだ、さあ来やがれ、今までは米....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、あまり見物を近くへ寄せまいとして地面へ筋を引いて廻るのを、ここでは鞘を払った
真槍《しんそう》で、無雑作にブン廻しをはじめたのだから、その乱暴さ加減は格別です....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
言われんが大奥|隠密《おんみつ》の要役を承る大切な御仁《ごじん》じゃ! やにわに
真槍をもって突きかけなんとする? 引けい!」
むかし伊勢の山田でも、忠相は泰軒....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
武蔵がそっとその一隅へ坐っても、誰ひとり振向いてみる者はない。 望みの者には、
真槍の試合にも応じる――と道場の壁には書いてあるが、今立ち合っている者の槍は、単....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
貝塗りの磨出し、菖蒲造りの刃先だけでも七、八寸はあろうという業物なのだ。 「――
真槍でいい」 それを見ながら、小次郎は、彼の徒労をすでに嘲うかにいったのである....