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「真正直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真正直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
父は他の血を混えない純粋の薩摩人と言ってよい。私の眼から見ると、父の性格は非常に真正直な、また細心なある意味の執拗《しつよう》な性質をもっていた。そして外面的に....
振動魔」より 著者:海野十三
だろうと思うが、これは無論、僕が仮りにつけた変名であって、もしもその本名を此処に真正直に書きたてるならば、それが余りにも有名な人物なので、読者は吁ッと驚いてしま....
地獄の使者」より 著者:海野十三
兵衛で馬鹿で簡単な人間なんですからね、廻りくどい言い方をされても理解が出来ない。真正直にいって貰うことを歓迎するんです。誘導訊問だとか、今のような訊き方は断然や....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
小粒になればと云うて、御出家に土の団子を差上げまして済むものでござりますかよ。」真正直に言訳されて、小次郎法師はちと気の毒。 「何々、そう真に受けられては困りま....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
あとが、連々たる大石柱の遺蹟として車窓に天を摩している。すると葡萄牙だ。何という真正直なろうま人の努力!――なんかと感心してる僕の視線を、ほるとがる荒野の石塀と....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
気のようにのぼせあがって口説《くど》きおとしにかかったんだ、もちろん、その口説も真正直なものではないさ。だから、この二人は、――親父さんと兄さんとは、どの道、衝....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
「お前はまた、心にあることと反対のことばかりを云ってるね。もうこうなったからには真正直に物を云おうじゃないか。」 「ええ、私は昨日からずっと真正直だったわ。」 ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ない。彼と苦しみとの最初の邂逅《かいこう》は、大人の場合よりもより悲壮でありより真正直である。自分自身の存在と同じように、苦しみも限りないもののように思われる。....
窓にさす影」より 著者:豊島与志雄
供っぽいところもあり、ひどく厳格な怖いところもあり、声高く笑い興ずることもあり、真正直な理屈を主張することもあり、どうも形態の知れないひとのようで、親しみにくか....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
胸を上げると、やや凭れかかって土手に寝るようにしていた姿を前へ。 「はあ、何、」真正直な顔をして、 「私ですか、」と空とぼける。 「貴下のようなお姿だ、と聞きま....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
…自然に金持になることだ! 」 こんな先生の大阪でどうして、人間の生きる道が、真正直に教えられるものか? 彼らは金持の子供に林間小学校と海浜小学校を案出する....
徹底的な浜尾君」より 著者:甲賀三郎
であるが、決してそうではなく、全く物事をいい加減にして置く事が出来ない為で、実は真正直な人であった。 他人に対して相当追究する一方、自分自身に対しても亦厳重で....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
だ、僕はこの土地の差配をして、汗水たらして、せっせと君に金を送ってやった。こんな真正直な番頭が、どこの世界にあるものか。だのにあんたは、その間じゅうありがとうの....
今年の抱負」より 著者:大倉燁子
飾やヴェールにかくれていい加減にお茶を濁しておくような真似をしないで、裸になって真正直に打つかってゆく、それがいいかわるいかは分らないが、思ったことをとにかく実....
魯迅さん」より 著者:内山完造
はナカナカ大変だったと思います。 私が一番魯迅さんに引きずられた一つは、先生の真正直な人柄でしたネー。たしか創造社の人々との論戦の時であったと思いますが、 「....