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真水
「真水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
れた。 六 湯を立ててもらって、久しぶりに塩気《しおけ》のない
真水《まみず》の中に長くなって寝ている最中に、湯殿の戸をこつこつ叩《たた》くもの....
「俊寛」より 著者:菊池寛
うに見えた。 彼が、決心して立ち上ったとき、彼はふと水の匂いを嗅いだ。それは、
真水の匂いであった。極度に渇している彼の鼻は、犬のように鋭くなっているのだった。....
「海異記」より 著者:泉鏡花
処を沖へ出て一つ暴風雨と来るか、がちゃめちゃの真暗やみで、浪だか滝だか分らねえ、
真水と塩水をちゃんぽんにがぶりと遣っちゃ、あみの塩からをぺろぺろとお茶の子で、鼻....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
殿。 舌長姥 あいあい、あいあい。 朱の盤 御進物が汚れたわ。鱗の落ちた鱸の鰭を
真水で洗う、手の悪い魚売人には似たれども、その儀では決してない。姥殿、此方、一拭....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
……というが、やがて十坪ばかりの窪地がある。汐が上げて来た時ばかり、水を湛えて、
真水には干て了う。池の周囲はおどろおどろと蘆の葉が大童で、真中所、河童の皿にぴち....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
は泡だらけ。瓜の種、茄子の皮、藁の中へ木の葉が交って、船も出なければ芥も流れず。
真水がここまで落ちて来て、潮に逆って揉むせいで。 あせって銑さんのおした船が、....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
たんで船こぎのほうにやらされちゃった。徒刑場ってつらいもんだぜ。板の上に寝るし、
真水を飲み、黒パンを食い、何の役にも立たねえ鉄のたまを引きずる。棒はくらわせられ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
かたまりと砂で、かまどをこしらえた。 このかまどで、海水をにたてて、塩けのない
真水をとるのだが、蒸溜水製造器は、石油|缶を三つかさねたものだ。 いちばん下の....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
所謂今日の澎湖諸島の、漁翁島まで来た時には七月も中旬になっていた。 船中へ
真水を汲み入れるため船は数日馬公の港へ碇泊しなければならなかった。毎年の事なので....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ェリヤは、ホレイショに導かれて、小川の中に入って行く。と、最初は裳裾が、あたかも
真水であるかの如く、水面に拡がるのであるが続いてそれは、傘のように凋まって、オフ....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
ら、二人位で食べるとすれば、別の小鍋に大鍋の方から一合ほど汲み出して移し、これに
真水一合を加えてさらに火に掛けるのである。加役は牛蒡を薄くそいだのがよろしかろう....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
ける。まず、鰡を腹の方から開いて、骨付きのまま塩水に漬け、翌朝塩水からあげて一旦
真水で洗い、これを干すと美しい艶に干しあがるのだ。 九州では、小鰡を塩漬けにし....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の瓶に相当の漏斗をさし、濾紙を敷いて静かに濾すと、それはそれは綺麗な水が出ます。
真水でいけない時に、蒸溜水の代りにそれを使うのでした。 移転後|暫くするにつれ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
たのです。白砂だから濡れても白い。……鵲の橋とも、白瑪瑙の欄干とも、風の凄じく、
真水と潮の戦う中に、夢見たような、――これは可恐い誘惑でした。 暴風雨のために....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
らめ、すなひらめ、さめ、ます、さけ、にしん、などが泳いでいます。 見ていると、
真水や潮水の中で、ほんとにみんなが生きて泳いでいるような気がします。 ほら、坊....