真田紐[語句情報] » 真田紐

「真田紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真田紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
たのを首に結《ゆわ》えて、桐油合羽《とうゆがっぱ》を小さく畳《たた》んでこいつを真田紐《さなだひも》で右の包につけるか、小弁慶《こべんけい》の木綿の蝙蝠傘《こう....
」より 著者:夏目漱石
、背中の荷がだんだん軽《かろ》くなって、しまいに紺《こん》の風呂敷《ふろしき》と真田紐《さなだひも》だけが残る。その時分にはちょうど旧の正月が来るので、ひとまず....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
床の間が見通される。……床に行李と二つばかり重ねた、あせた萌葱の風呂敷づつみの、真田紐で中結わえをしたのがあって、旅商人と見える中年の男が、ずッぷり床を背負って....
真田幸村」より 著者:菊池寛
ヶ原の戦後、昌幸父子は、高野山の麓九度|禿の宿に引退す。この時、発明した内職が、真田紐であると云うが……昌幸六十七歳にて死す。昌幸死に臨み、わが死後三年にして必....
石狩川」より 著者:本庄陸男
あ、――」 彼女は掌《て》の中に男の腕を挾《はさ》んでひきよせていた。ほどけた真田紐《さなだひも》を丁寧に巻きつけている女の容姿もやつれていた。ほつれ毛もない....
乳房」より 著者:宮本百合子
けたままで、斜かいに頭を揃えて置いてあるのだが、その一台には、つつじの小鉢が古い真田紐《さなだひも》で念入りにからげつけてあった。 青葱《あおねぎ》の葉などが....
丹下左膳」より 著者:林不忘
せに土にさしてあって、即妙《そくみょう》の刀架け……それに、赤鞘の割れたところへ真田紐《さなだひも》をギリギリ千段巻きにしたすごい刀《やつ》が、かけてあるのだか....
山男の四月」より 著者:宮沢賢治
くてしかたありませんでした。 そのうちに支那人は、手ばやく荷物へかけた黄いろの真田紐《さなだひも》をといてふろしきをひらき、行李《こうり》の蓋《ふた》をとって....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
幅の広い紺の暖簾に大丸と染めたのが、いくつか斜に往来へ出ていて、縁にかなりの幅の真田紐が附いて、石が重りになっていました。その間から這入りますと、番頭が幾人か並....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
婦人、座席の上に横坐りして絹靴下の蹠《あしのうら》を広く一般に公開し、荷物棚から真田紐《さなだひも》でつるした一個二|法《フラン》の貸し枕に河童頭《かっぱあたま....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いく》に紺の脚絆、一枚引っかけた盲目縞《めくらじま》長ばんてん、刀の下緒のような真田紐《さなだひも》を帯代りにちょっきり結んで、なるほど両脚が釘抜のように内側へ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
近郷で――いや近頃はかなり遠国まで知れて来た丈夫な木綿の平打紐で、九度山紐とも、真田紐ともよばれ、製品の販路を拡げて歩く売子も、何処へ行っても見かけるほど手びろ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
一ツ、あとは、戸棚に女? ……」と感心して、それから悠々と壁に懸けてあった振分の真田紐を解いた。 周馬から伊太夫へ来た手紙だけをひき抜き、あとは元の通り壁へか....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
集まって、手に手に何か白いものを持っている。近づいて見ると幅三寸足らずの、木綿|真田紐を組んでいるのであった。私を案内してくれた老村長は曰く「あれは未来の夫に贈....
昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
落とし、塵を払い、水を使わずに洗ったようにきれいにする。次に縦長に幅五分ぐらいに真田紐のように、鋏で切る。それをまた小口から細く長く五分の糸のように切る(昆布茶....