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「真葛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真葛の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
工であるがその当時|毫《ごう》も世間向の画をかかなかったために生涯《しょうがい》真葛《まくず》が原《はら》の陋居《ろうきょ》に潜《ひそ》んでまるで乞食と同じ一生....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
《こんせき》の会話はアハハハハに始まってアハハハハに終った。 九真葛《まくず》が原《はら》に女郎花《おみなえし》が咲いた。すらすらと薄《すすき》....
京に着ける夕」より 著者:夏目漱石
》いて、暗い国へ轟《ごう》と去った。 たださえ京は淋《さび》しい所である。原に真葛《まくず》、川に加茂《かも》、山に比叡《ひえ》と愛宕《あたご》と鞍馬《くらま....
黒髪」より 著者:近松秋江
ろに続いていたりした。私は、山の方に上がってゆく静かな細い通りを歩いて、約束の、真葛ヶ|原のある茶亭の入口のところに来てしばらく待っていた。そこは加茂川ぞいの低....
高台寺」より 著者:宮本百合子
そう思う、私も」 全然反対の例にとれる龍安寺の石庭のことなど喋りながら、彼等は真葛ケ原をぬけた。芝生の上はかなりの人出で、毛氈《もうせん》の上に重箱を開いて酒....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
五・八四一)という具合に、「て」の入っているのが多い。 ○真葛原なびく秋風吹くごとに阿太の大野の萩が花散る 〔巻十・二〇九六〕 作者不詳 ....
離魂病」より 著者:岡本綺堂
意外の不思議がないとは限らない。それとは少し違う話だが、仙台藩の只野あや女、後に真葛尼といった人の著述で奥州咄という随筆風の物がある。そのなかにこういう話が書い....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
に俊雄は成仏延引し父が奥殿深く秘めおいたる虎の子をぽつりぽつり背負って出て皆この真葛原下這いありくのら猫の児へ割歩を打ち大方出来たらしい噂の土地に立ったを小春お....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
たばかりであるというのに、もう北羽州の峡間に臨むこの温泉の村は秋たけて、崖にはう真葛の葉にも露おかせ、障子の穴を通う冷風が肌にわびしい。私は流れに沿った一室に綿....
食道楽」より 著者:村井弦斎
崩れて一向《いっこう》美味しくありません。先ずあれにするには西京《さいきょう》の真葛《まくず》が原《はら》の豆が一番上等です。大阪の尼《あま》が崎《さき》辺の一....