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「真裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

真裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、なんといっても余裕があり過ぎると思わないではいられない物足りなさがあった。よし真裸《まっぱだか》になるほど、職業から放れて無一|文《もん》になっていてもいい、....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ら大学生の上原をみる眼が少し変ってるなと思っていたら、大学生はやにわに、上半身、真裸《まっぱだか》になって、上原に角力《すもう》をいどみかけるのです。上原は、は....
党生活者」より 著者:小林多喜二
から飛んだ。飛びは飛んだが足を挫《くじ》いてしまった。彼は途中逃げられないように真裸にされて連れて行かれた。彼が警察の留置場に入って、前にやられた仲間を一眼見る....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
いて無い、白紙の書物を拡げて読んでいる。そしてその右には赤|膨《ぶく》れに肥った真裸体《まっぱだか》の赤ん坊が座って、糸も何も張って無い古|月琴《げっきん》を一....
クララの出家」より 著者:有島武郎
。クララはやはりこの堂母のこの座席に坐っていた。着物を重ねても寒い秋寒に講壇には真裸なレオというフランシスの伴侶が立っていた。男も女もこの奇異な裸形に奇異な場所....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と誇り貌に告げて、彼は友達を引張って、甥の墓に詣った。而して其小さな墓石の前に、真裸の友達とかわる/″\跪いて、凋れた月見草の花を折って、墓前の砂に插した。 ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
で、糸車をじい……じい……村も浮世も寒さに喘息を病んだように響かせながら、猟夫に真裸になれ、と歯茎を緊めて厳に言った。経帷子にでも着換えるのか、そんな用意はねえ....
死者の書」より 著者:折口信夫
――。 岩牀の上に、再白々と横って見えるのは、身じろきもせぬからだである。唯その真裸な骨の上に、鋭い感覚ばかりが活きているのであった。 まだ反省のとり戻されぬむ....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
みました。ふと、前方の丘の上に、二三十人の土人の姿が見えました。男も女も子供も、真裸で、火を囲んでいるのです。一人がふと私の姿を見つけて、すぐほかの者に知らせた....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
それはとうに外されていて、今ではコルセットも下衣もなく、こうして彼女は、男の前で真裸にされたのである。 続いて法水は、屠殺される、獣のように打ち挫がれているウ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
た。茶の間にはいって来て次郎たちの顔を見ると、「よう」と声をかけ、すぐ服をぬいで真裸になり、井戸端に行ってじゃあじゃあ水をかぶっていたが、まもなくぬれタオルを両....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
せた。自然への私の詩情はこの西城川の川遊びが揺籃だったらしい。水着も手拭もなく、真裸で、帯でふくのだ。鼻の尖きが光るので砂をつけて、帰ってから叱られるのをゴマ化....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
きたなさ、夜具のきたなさ、虱のきたなさ、等々であろう。 ○安宿に泊る人はたいがい真裸(大部分はそうである)である、虱がとりつくのを避けるためである、夏はともかく....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
と!……じゃ、みのり! お前はどんなことした? みのり あたし、去年の冬、蓑虫を真裸にして、冷い雪の上に捨てちゃったの。 なよたけ 無慈悲なこと!……蝗麻呂! ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
た。二度目のはこの病院で、全身麻痺の恐るべき手術でした。私は今もなおあの手術の時真裸かで、手術台の上に寝かされて、コロロホルムを嗅がされて意識を失う時の、恐るべ....