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真黒
「真黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
真黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
郎も、もう四歳になりました。顔立こそ美しいが、始終田畑や山へつれて行くので、色が
真黒になって、百姓の子供として恥かしくないような顔になってしまいました。無論着物....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に沢山ありまして、土地の漁師の小供達はよくそんなところで水泳ぎを致して居ります。
真黒く日に焦けた躯を躍り狂わせて水くぐりをしているところはまるで河童のよう、よく....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
とじ付けていた。
内地ならば庚申塚《こうしんづか》か石地蔵でもあるはずの所に、
真黒になった一丈もありそうな標示杭《ひょうじぐい》が斜めになって立っていた。そこ....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
狐色《きつねいろ》にこげて、どろがいっぱいこびりついていた。そして頭や足には血が
真黒《まっくろ》になってこびりついていた。ポチだかどこの犬だかわからないほどきた....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
をくっきりと染め抜いて、真白く一団の蒸気が漂うて居る。ある限りの煉瓦の煙突からは
真黒い煙がむくむくと立ち上って、むっとする様な暑さを覚えしめる。労働を強うる為め....
「星座」より 著者:有島武郎
に知らせようか。……それではいけない。気がすまない。園は大通りの暗闇の中に立って
真黒な地面を見つめながら、右の腕をはげしく三度振り卸《お》ろした。
園はそのま....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
ぎますと、おどろくまい事かすき通るほど光ってござった王子はまるで癩病やみのように
真黒で、目は両方ともひたとつぶれてござらっしゃります。 「なんだこのぶざまは、町....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
の方に走りました。ナイフで色々ないたずら書きが彫りつけてあって、手垢《てあか》で
真黒《まっくろ》になっているあの蓋《ふた》を揚《あ》げると、その中に本や雑記帳や....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
うな意地悪《いじわる》な顔をしています。おとうさんに、帽子が逃げ出して天に登って
真黒《まっくろ》なお月様になりましたといったところが、とても信じて下さりそうはあ....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
て人形遣いの方が邪魔になってよほど趣きを打壊すが、昔は暗い上に八つ口だけの赤い、
真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった。あるいは木魚や鐘....
「聖書」より 著者:生田春月
るように、同じく椅子の上に身を反らして、片足を膝の上に載せたはいいが、恥しながら
真黒な足袋の裏を見せて、やっぱり葉巻をささげて、少し首を入口の方へふり向けてロセ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。 舞台一面の雪である。その中にたった二つの黒い点、オニエギンとレンスキイが、
真黒な二羽の鴉のように、不吉な嘴を向き合せていた。 彼は万年筆をとりだすと、プ....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
共白又は水色の如き派手なる首環又は涎掛を結び且つ鈴を着けて置くべき猫がある、之は
真黒の熊猫で、此黒い猫は往々にして暗い処に居る時に尾を踏まれたり足を踏まれたりす....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
れたようになって面を背けた。斜ッかいの化粧部屋の入口を、敷居にかけて廊下へ半身。
真黒な影法師のちぎれちぎれな襤褸を被て、茶色の毛のすくすくと蔽われかかる額のあた....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、紋緞子の袴を引摺って、他が油断をしようものなら、白襟を重ねて出やがる。歯茎が
真黒だというが。」 この弦光の言、――聞くべし、特説|也。 「乱杭、歯くそ隠の....