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眠
「眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
。が、藤井はいつのまにか、円卓《テエブル》に首を垂らしたなり、気楽そうにぐっすり
眠《ね》こんでいた。
(大正十一年六月)....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
蓋のような松の梢《こずえ》に、気のついたせいでございます。あの墓原の松のかげに、
眠っていらっしゃる御両親は、天主のおん教も御存知なし、きっと今頃はいんへるのに、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ささ》か滑稽の観があったのは、読みかけた太平記を前に置いて、眼鏡をかけたまま、居
眠りをしていた堀部弥兵衛が、眼をさますが早いか、慌ててその眼鏡をはずして、丁寧に....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、絶えず直接の交通を続けているためか、川と川とをつなぐ掘割の水のように暗くない。
眠っていない。どことなく、生きて動いているという気がする。しかもその動いてゆく先....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
だんだん八犬伝を忘れ、教師《きょうし》になることなどを考え出した。が、そのうちに
眠ったと見え、いつかこう言う短い夢を見ていた。
――それは何《なん》でも夜更《....
「運」より 著者:芥川竜之介
》さっきの桜の花がこぼれたのであろう。
「話さないかね。お爺さん。」
やがて、
眠そうな声で、青侍が云った。
「では、御免を蒙って、一つ御話し申しましょうか。ま....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
妙子はまだ夢現のように、弱々しい声を出しました。 「計略は駄目だったわ。つい私が
眠ってしまったものだから、――堪忍して頂戴よ」 「計略が露顕したのは、あなたのせ....
「初雪」より 著者:秋田滋
、数知れず建っている白堊の別荘は、折からの陽ざしをさんさんと浴びて、うつらうつら
眠っているように見えた。そして遥か彼方には、明るい家々が深緑の山肌を、その頂から....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
りしゆえ職務上かく問うなり」と言うに、詮方なく宿所姓名を告げ、「活版所は暑くして
眠られぬまま立出し」とあらましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
口の所でこみ合って喧嘩椅子にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に
眠るがごとくにこの世を去り、静かに墓地に葬られた頃になると、落涙を禁じ得ない。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、そこは世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を
眠りにいざない、ときたま鶉が鳴いたり、啄木鳥の木を叩く音が聞えるが、あたりに漲ぎ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
あんなに永いあいだ逃げていた幸福、その幸福をようやく捕えたのである。この幸福が、
眠っている間に、また自分たちを見捨ててどこかへ行ってしまいはしないだろうか。彼等....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
また一人|殺った。昼食を済まして、川端を歩いていると、釣師が一人柳の木の下に
眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置いてあるよう....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
の山家で気勢を上げたそうである。飲む程に喋舌る程に、熱を上げ、降りしきる虫の声も
眠る頃に及ンでやっと三人かたまり五人集って、三里の道を博多へと帰り始めたとお思い....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
まれて捨てられているのでした。伊作の話では、伊作の最初に見付けた時は、赤児はよく
眠っていたということでした。 「一体|何処の子供だべいな? いい顔つきっこをして....