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眠け
「眠け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眠けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のおいしげった丘のふもとで、近くを小川が流れ、白樺の巨木がその片端に立っていた。
眠けを誘う夏の日には、生徒たちの課業を勉強する声が、校舎から低くぶつぶつ聞えてき....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うことも忘れましたようで、心細いのでございますよ。
貴僧《あなた》、それでもお
眠ければご遠慮《えんりょ》なさいますなえ。別にお寝室《ねま》と申してもございませ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
「はい、今開けます、唯今、々々、」と内では、うつらうつらとでもしていたらしい、
眠け交りのやや周章てた声して、上框から手を伸した様子で、掛金をがッちり。 その....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
げたアパートへ帰っても仕様があるまい」 銀ちゃんは自虐的な口を利いて、 「――
眠けりゃ、ヒロポン打つさ」 「それもそうでやしたね。――じゃ、早速一発!」 坂....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
』 『どうせ徹夜でさあ。』 秋山は一向平気である。杯を見つめて、 『しかし君が
眠けりゃあ寝てもいい。』 『眠くはちっともない、君が疲れているだろうと思ってさ。....
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
ごとく神話の書物を開いてちょうどゴーゴンの伝説を読んでいますと、常になくしきりに
眠けを催し、書物を開いたまま眠りました。すると、わたしは恐ろしい夢を見たのであり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りというのは、どんなもようじゃった」 「まるで穴の中へでもひきずり込まれるような
眠けでござんした」 「で、金はその間に紛失いたしておったというんじゃな」 「へえ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「もう宵《よい》のうちから降りやんでいるんですよ」 「じゃ、遠くもねえところだ。
眠けざましに、お拾いで参るとしようぜ。龕燈《がんどう》の用意をしてついてきな」 ....
「ぶくぶく長々火の目小僧」より 著者:鈴木三重吉
ました。 ところがちょうど王子が眠りかけるころになると、この三人も、同じように
眠けがさして、とうとうこくりこくりと寝てしまいました。 王女は王子がぐっすりね....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
生を撫でて来る柔らかな風がそのカーテンの裾をなぶって、椅子に凭れていると、恍惚と
眠けを催すほど、長閑な気持になってきます。そして、美しい娘二人の並べてくれたこの....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
計はいらない。短い時間には脈搏が尺度になり、もう少し長い時間の経過は腹の減り方や
眠けの催しが知らせる。地下の坑道にいて日月|星辰は見えなくてもこれでいくぶんの見....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
種の興趣らしいものを感じさせられるのであろう。現代人は相生、調和の美しさはもはや
眠けを誘うだけであって、相剋争闘の爆音のほうが古典的|和弦などよりもはるかに快く....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
われらにはかなり空腹であるところへ相当多量な昼食をしたあとは必然の結果として重い
眠けが襲来する。四時から再び始まる講義までの二三時間を下宿に帰ろうとすれば電車で....
「竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
トンと魚の骨でも打つらしい単調な響きが静かな家じゅうにひびいて、それがまた一種の
眠けをさそう。中二階のほうで、つまびきの三弦の音がして「夜の雨もしや来るかと」と....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
れども、それにしても、「何という聡明《そうめい》な女だろう」と、彼はもうすっかり
眠けを奪われてしまって、女の言葉の方向の動くがままに、その疲れ切った意識を引きず....