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眸
「眸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
髪に挿《さ》した※瑰《まいかい》の花と共に、一日も忘れたと云うことはない。その明
眸《めいぼう》は笑っている時さえ、いつも長い睫毛《まつげ》のかげにもの悲しい光り....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ものは、大方《おおかた》昼見える星であろう。もう今はあの影のようなものも、二度と
眸底《ぼうてい》は横ぎらない。何小二はもう一度歎息して、それから急に唇をふるわせ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
黒|蜻蛉《とんぼ》の羽のような、おののきやすい少年の心は、そのたびに新たな驚異の
眸《ひとみ》を見はらずにはいられないのである。ことに夜網《よあみ》の船の舷《ふな....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
おきな》でござる。」
阿闍梨《あざり》は、身を稍後《ややあと》へすべらせながら
眸《ひとみ》を凝《こ》らして、じっとその翁を見た。翁は経机《きょうづくえ》の向う....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
の面魂《つらだましい》なりき。 その眉《まゆ》は長くこまやかに、睡《ねむ》れる
眸子《まなじり》も凛如《りんじょ》として、正しく結びたる脣《くちびる》は、夢中も....
「階段」より 著者:海野十三
ていて動かない。その眼には、なにか激しい感情を語っている光がある。で、私は彼女の
眸についてその行方を探ってみた。だがそこには長身の友江田先生の外になにものも見当....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
吻と一息した紫玉は、この時、すらりと、脊も心も高かった。 七 明
眸の左右に樹立が分れて、一条の大道、炎天の下に展けつつ、日盛の町の大路が望まれて....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、すッと蒼空に渡って、遥に品川の海に消えた。が、蔵前の煙突も、十二階も、睫毛に一
眸の北の方、目の下、一雪崩に崕になって、崕下の、ごみごみした屋根を隔てて、日南の....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
話があるな、婆さん。」とばかり吐息とともにいったのであるが、言外おのずからその明
眸の届くべき大審院の椅子の周囲、西北三里以内に、かかる不平を差置くに忍びざる意気....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
似たり。月は峰の松の後になりぬ。 坂道にのぼりかけつ。頂にいたりて超然として一
眸のもとに瞰下さば、わが心高きに居て、ものよく決むるを得べしと思いて、峰にのぼら....
「車中有感」より 著者:上村松園
そういうものをみて、自分の心をいためることのいやさから、自然に窓の外へと、自分の
眸を転じてしまう癖がついてしまったのである。 窓外の風景には、自分の心をいため....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
合致して、この方法は、わたくしの意図どおりの狂人の顔が出来たのである。 狂人の
眸には不思議な光があって、その視点がいつも空虚に向けられているということが特徴で....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
歩とはまだ隔らないうちに、目の下の城下に火が起った――こういうと記録じみる――一
眸の下に瞰下ろさるる、縦横に樹林で劃られた市街の一箇処が、あたかも魔の手のあって....
「西航日録」より 著者:井上円了
平らかなり。 途上詩作一、二あり。 紅海書懐 紅海尽頭風月幽、亜山埃水入吟
眸、客身已在天涯外、遮莫家郷憶遠游。 (紅海の懐いを書す 紅海の尽きるあたり、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に映射し、上下に太陽を見るは実に奇観なり。ときに、水中に一道の光芒を浮かべて、眼
眸に映じ来たるところ、その美妙ほとんど言語に絶す。かくして十時半、太陽地平線下に....