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着く
「着く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
たき》には用捨しない。敵《かたき》も、おれに用捨はしないだろう。そうなれば、落ち
着くところは、今からあらかじめわかっている。弟を殺すか、おれが殺されるか。……)....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
ないとも云わずに、ちょいと頭をさげて、「どうも、実際退屈しますな。これじゃ向うへ
着くまでに、退屈死《たいくつじに》に死んじまうかも知れません。」
僕は同意した....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
りの後《のち》、千枝子夫婦は夫の任地の佐世保《させほ》へ行ってしまったが、向うへ
着くか着かないのに、あいつのよこした手紙を見ると、驚いた事には三度目の妙な話が書....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
て》もたまらないような気がしたのでしょう。女はすぐさま汽車に乗って、懐しい東京へ
着くが早いか、懐しい信行寺《しんぎょうじ》の門前へやって来ました。それがまたちょ....
「或る女」より 著者:有島武郎
……かわいそうに、木村はサン・フランシスコから今ごろはシヤトルのほうに来て、私の
着くのを一日千秋の思いで待っているだろうに、わたしはこんな事をしてここで赤い着物....
「或る女」より 著者:有島武郎
の姿ばかりがいろいろに描かれたり消されたりしていた。
列車が新橋《しんばし》に
着くと葉子はしとやかに車を出たが、ちょうどそこに、唐桟《とうざん》に角帯《かくお....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
らすまいとした。それほど寒い風は激しい音で募っていた。笠井はくどくどとそこに行き
着く注意を繰返して、しまいに金が要《い》るなら川森の保証で少し位は融通すると付加....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
って頼んだので、黙ったまま私たちのあとから跟《つ》いて来ました。
家《うち》に
着くともう妹のために床《とこ》がとってありました。妹は寝衣《ねまき》に着かえて臥....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
言えない幸福な感謝の心が、おさえてもおさえてもむらむらと胸の先にこみ上げて来た。
着く所に着いてから思い存分の手当をするからしばらく我慢してくれと心の中にわびるよ....
「親子」より 著者:有島武郎
思い知られた。彼はさきほどから長い間ぼんやりとそのさまを眺めていたのだ。 「もう
着くぞ」 父はすぐそばでこう言った。銀行から歳暮によこす皮表紙の懐中手帳に、細....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
えば、お前が私を出し抜いて、外部の刺戟ばかりに身を任せて走り出して、何処かに行き
着くことが出来たとしても、その時お前は既に人間ではなくなって、一個の専門家即ち非....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
「来たな」と思うと胸は穏かでない。船階子の上り口には労働者が十四五人群がって船の
着くのを見守って居た。 私の好奇心は我慢し切れぬ程高まって、商売道具の掃除をし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私は全く穴へでも入りたいほど恥かしくてならないのでした。 それでも予定の場所に
着く頃までには、少しは私の肚が据ってまいりました。『縦令何事ありとも涙は出すまい....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ながらも首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ
着くというその夜は誰も安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば、今宵こ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
彼は、ブロム・ボーンズと競走した幽霊がすがたを消した場所を思いだした。「あの橋に
着くことができさえすれば」とイカバッドは考えた。「おれは助かる」ちょうどそのとき....