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着する
「着する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と平太夫《へいだゆう》の姿を見守りました。が、あの老爺《おやじ》はとんとそれに頓
着する容子《ようす》もなく、ただ、二三歩譲っただけで、相不変《あいかわらず》とぼ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
刑場はちょうど墓原《はかはら》に隣った、石ころの多い空き地である。彼等はそこへ到
着すると、一々罪状を読み聞かされた後《のち》、太い角柱《かくばしら》に括《くく》....
「白」より 著者:芥川竜之介
出した。一行はこの犬の後《あと》に従い、一日余り歩いた後《のち》、やっと上高地へ
着することが出来た。しかし犬は目の下に温泉宿の屋根が見えると、一声《ひとこえ》嬉....
「片信」より 著者:有島武郎
病《おくびょう》な、安全を庶幾《しょき》する心がけを暴露するものだということに帰
着するようだ。僕は臆病でもある。安全も庶幾している。しかし僕自身としては持って生....
「親子」より 著者:有島武郎
んで疑っておいでになるのだ。しかし君のことはよくお話ししておいたから……万事が落
着するまでは君は私から遠退いているようにしてくれたまえ。送って来ちゃいけませんよ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
都合がいい。お前の内部にどれ程の矛盾があり表裏があっても、それは習俗的な社会の頓
着するところではない。単にお前が殊勝な言行さえしていれば、社会は無事に治まって泰....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てはまた、天の起源――換言すればこの地球以外にある物象の起源――に関する疑問に逢
着する。こういう場合には、たいてい、世界の起源について何かしら人間的な形を備えた....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
きないということになる。そこで初めて世界の人類が長くあこがれていた本当の平和に到
着するのであります。 要するに世界の一地方を根拠とする武力が、全世界の至るとこ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ほどであった。 一も二もない、したたかに詫びて、その革鞄の口を開くので、事は決
着するに相違あるまい。 我も人も、しかあるべく信じた。 しかるにもかかわらず....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
いうことについては度々熟考し、あながちそれを好む者ではなかったが、さりとて生を愛
着するの余りに、人の物笑いになるような死にざまをする人たちを侮蔑していた。 この....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
次第に四方に伝播し、やがて高山の頂巓から、世界に向って呼びかけねばならぬ時代も到
着する。見よ、その時、この隠れたる神の児達が、大地の下層より蹶起して、自己の体得....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
られたおかげで、殆息もつけない程|咳きこまなければならなかった。が、小娘は私に頓
着する気色も見えず、窓から外へ首をのばして、闇を吹く風に銀杏返しの鬢の毛を戦がせ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーもこの発見の記事を読んで、早速実験に取りかかり、電流の通れる針金に横に鉄粉の附
着することを確めた。 この時代は、ニュートンの引力説が全盛の時代であったから、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
郎氏で、閣翁運八とともに、自動車で駆上って来た事は更めて言うに及ぶまい。事実に逢
着すると、着弾の距離と自動車の速力と大差のない事になる。自動車の方が便利である。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
べき事もちろんである。しかし如何に臣民が協調に努力するも必ず妥協の困難な場面に逢
着するものである。それにもかかわらず総て臣民の間に於て解決せんとするが如き事があ....